高校生
□身長差カップルにありがちなこと。
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人混みの中から彼を見つけるのは簡単
他の人より頭1つ2つ突き出てるから遠くからでもその存在を確認できる
「月ー！！ごめんね？待った？」
「さして待ってはない」
「よかった」
月と付き合ってて大変なことはたくさんある
身長差が70センチくらいあるから私からキスできないし
その辺のカップルみたいに腕組んだり手を繋いで歩くっていうのもちょっと難しい
手繋いで歩くのは私がちょっと手を上に上げればできるんだけど
それだと私が大変だろって月は気を遣ってくれるからあまりしない
インカメでツーショット撮ろうとしても座ってるときならまだいいけど、ディ◯ニーとかで並んでるときに撮ろうとすると月にかなり屈んでもらわないと私の腕じゃ無理
月に撮ってもらえばいいんだけど、恐ろしいくらいにインカメのセンスがないから却下
でも、月がこんなに背が高くて良かったこともたくさんある
手を繋いだり、腕を組んだりできないから人混みの中ではぐれてしまうこともあるけど大抵すぐに見つけられる
あと、月ってすごくイケメンで一緒に歩いていると色んな人が彼を見る
まぁ、半分くらいは背が高い人が珍しいっていう視線だろうけど
中には確実に狙ってる女の子もいる
でもこんだけ身長高くてミステリアスな雰囲気だから彼に話しかけてくる勇気のある女の子はそういないので逆ナンされる心配はない
一緒にお買い物行って高いところにある商品とか店員さん呼ばなくても取ってもらえるのは感動した
「今日はね、付き合ってほしい場所があるの」
「どこでも蘭の好きなところに行く約束だからな」
「うん！今日は私のワガママdayだもんね」
月は来週からテニスの合宿でしばらく会えなくなってしまう
世界大会に出場する日本代表の合宿だから会いに行くことはできない
合宿に女の子はいないから浮気の心配はないけど寂しいものは寂しい
だから今日は最後のデート、合宿終わるまで私が耐えれるように月を充電するんだ
「ここ！！」
「ジュエリーショップか
何か欲しいものでもあるのか？」
「まぁね」
店内に入り、レディース向けショーケースには目もくれずオーダーメイド受付コーナーに向かう
「予約していた九条です」
「九条様、お待ちしておりました
承ってたものはこちらでお間違いないでしょうか？」
店員さんが持って来たのはチェーンの通っていないペンダントのトップ
女の私が付けてもなんらおかしくないけど、少し落ち着いてるデザイン
「ねぇ、月はペンダントとブレスレットとアンクレット、どれだったら普段から付けてくれる？」
「俺か？」
「うん、あんまりアクセサリーとか付けてないから苦手なのかなーとか思ったけど、毎日身につけられるものって考えたら私の頭じゃアクセサリーしか思いつかなくて
サプライズで準備してたんだけど、やっぱり月が貰って嬉しいものを贈りたくてここでネタバラシ」
月はすごく驚いたようにしていた
色々と相談してチェーン長めのペンダントに決定
出来上がるのは3日後だから来週 出発する前に渡せる
ジュエリーショップを後にし、少し早めのお昼ご飯を食べる
もちろんメニューは月の好物の更科そば
っていうか、好きな食べ物がお蕎麦は分かるけど水って何？水って食べ物？あれは生きてくうえで空気の次に大切なものだから好きな食べ物っていうくくりではないと思うんだけどな…
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