中学生
□幸せデート
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約束の時間より15分早く集合場所に着いた
周りを見ても彼女の姿はない
少し早く来すぎたかな?
今日は恋人の蘭と久しぶりのデート
彼女のリクエストで水族館に行くことになっている
最近はずっと部活ばっかりであの子と一緒に過ごす時間が少なかった
今日はその間の寂しさに対して謝罪のつもりのデートなんだけど、こんなんじゃどっちが寂しがっていたのかわからないな
「周助ー!!」
約束の時間の10分前、久しぶりに聞く声が近づいてきた
「待った?」
「ううん、僕もさっき来たんだ」
「よかった
はぁー、やっと周助に会えた」
眩しいくらいに笑顔でそう言う蘭
こんなに1人の子を好きで堪らなくなる経験なんてあるんだ、って思うくらいこの子の全てが愛らしくて僕までつられて口角があがる
「ごめんね?いつも部活ばかりで なかなかこうして蘭といられなくて」
「ううん!気にしないで!
私 テニスしてる周助大好きだもん とーってもかっこよくて、こんな人が私の彼氏なんだなーってふわふわした気持ちでいつも練習見てるんだよ」
なんて、可愛いことを平気で言う子だから こんなにも惹かれてしまうのかな?
「でもやっぱり遠くで見てるより、こうして近くにいられるほうがずーーっと嬉しい」
同い年とは思えないくらい幼く、無邪気な顔で腕に抱きついてくる蘭と一緒に水族館に向かった
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