中学生

□2/14
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今年もこの時期がやってきた




1年で最も女の子が燃え上がる日




2月14日、バレンタインデーは戦争だ




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時は遡って2月12日




「もうすぐバレンタインね景吾」

「あぁ、そうだな」




私の恋人である跡部景吾は氷帝学園のキング
毎年バレンタインになるとありえない数のチョコレートが彼の元に届く

それは私という、公認の恋人がいても関係ない
2月14日というのは女の子が最も命をかけるイベント




「今年はいったいどれくらいの数が届くのかしら?
本当に日本の文化は不思議だわ
チョコレートに想いを乗せて伝えるなんて、ね?」




イギリスではカードやプレゼント交換が行われているが、日本では女性が男性にチョコレートをおくるのだという




「私も景吾にチョコレートをおくろうかしら?」




ソファに腰掛けている景吾に寄りかかり、わざとらしくそう提案する




「ほう? 他の女と同じことすんのか?」

「なんだかカンに触る言い方ね
郷に入っては郷に従え、というでしょ?
せっかく日本にいるのだから、日本の風習に則るのもわるくないでしょう?」




顎をくいっとすくわれ、切れ長のキレイな目が私を熱く見つめる




「今年はくれるのか?チョコレート」

「あんなにたくさんのチョコレートもらっているのに、私からも求めるの?欲張りな人ね」

「何千、何万のチョコレートより
お前からもらう1つのチョコレートの方が俺にとっては価値がある」




あぁ、なんて美しい人
こんな美しい人の恋人でいられるだけで幸せなのに
彼から愛されているのだからこのまま溶けてしまっても構わない




「あら、そんな風に言われたら準備しないわけにはいかないじゃない??」




美しい恋人を挑発的に見つめ返しそう告げると、景吾は満足げに笑みを浮かべた




「楽しみにしてるぜ、蘭」




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