中学生

□Stand by me
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薄く微笑むその顔は
同じ人間とは思えないくらい美しくて
青い瞳は1度見つめられたら2度と逃げられない




しなやかな指が私の顎をとらえる
切れ長の目が静かに私を見据える
あまりの美しさに呼吸を忘れるほど




私はあなたを愛している
どうしようもないくらいあなたしか見えない




「信じて…周助…」




声を震わせ、涙を流し、愛しい人を見る
冷たい瞳に優しさはなくて背筋に嫌な緊張が走る




「蘭はわかっていない
僕がどれだけ君に惚れているのか…
言葉だけじゃ、足りないんだ
こうして君を僕だけのものにしておかないと
不安でおかしくなる」




周助みたいに美しい人が不安になることなんてあるのだろうか
むしろ不安なのは私の方だ、いつか周助には私よりもずっと素敵な人が現れるんじゃないか
いつか、周助に求められなくなるんじゃないかって……




「蘭は僕だけを見ていればいい
蘭の世界には僕だけがいればいい
僕の手の中にだけ、いればいい…」

「周助…」




つらそうな瞳が私を見る
少しでも動けば唇が触れてしまいそうな距離で吐息が絡み体の温度が上がる




「その瞳で、他の男を誘惑するのかい?」

「違う…そんなことしない」

「君にそのつもりがなくても勘違いする男はたくさんいるんだよ?」

「…私が好きなのは、周助だけ
周助しか欲しくない」




涙を流し懇願するように伝えても彼の瞳に熱がこもることはない
ただ私の顎をつかんで瞳を逸らすことを許さないだけ、恐ろしいくらいに整った美形が目の前にあるというのは心臓に優しいものじゃない




「愛してる…周助…」




自ら周助の頬に手を添えキスをする
触れるだけの軽いキスをして再び顔を合わせればさっきまでの冷たい瞳とは打って変わって穏やかな微笑みを向けられる




「君は、本当にいけない子だね」

「え?」




笑っているのに、笑ってない周助




「こんなに僕の心を乱すのは君だけだよ
ねぇ、責任とってくれるんだよね?」

「責任って…」

「ふふ、怖がらないで
愛しい蘭に酷いことなんてしないよ」




慈しむように頬を撫でられるとなぜか背筋がぞくりとした




「ずっと、僕の側にいて…
どこにも行かせない、誰にも触らせない
僕だけのもの…僕だけの蘭…」

「それで周助が安心するなら
私はどこにも行かないよ…ずっと周助の側にいるから」




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