中学生
□みつけた
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今月何度目かのお見合いの日
いつもと何も変わらず、私のスタンスは一緒
私がこれからの人生を捧げてもいいかどうかを見極める、それだけ
「お前、俺様と結婚しろ
答えはイエス以外の返事は認めねぇ、いいな」
初めて会ったその人は、私に言った
あぁ、きっとこの人だ なんて思ったわけじゃない
ただ驚いただけ、いつもとは違うことを言われてびっくりしただけだった
「もちろん、喜んでお受けします」
私は決めていた
「結婚を前提に」なんて回りくどい言い方じゃなく、ストレートに結婚を申し込まれたら受け入れると
だから、彼の申し出を快く受け入れた
家柄と学歴重視で探すと、どうしても年の離れた人を紹介されることが多かった
私の記憶にある限り、1番年齢が近くても10歳差くらいだった気がする
「私、九条蘭と申します」
「あぁ、知ってる 九条家のわがままお嬢様だろ?俺様の名前は跡部景吾、お前とは同い年だ だからその堅苦しい言葉遣いはやめろ」
同い年で、しかも今まで私が会ったことのある誰よりも美しい顔をしている彼はどこまでも自信家でナルシストで、もしかしたら私は最初から惹かれていたのかもしれない
「結婚すると決まったなら恋愛は自由だ
どうせ時がくれば結婚するんだから、それまで誰と恋をしようと勝手だ」
彼の提案に胸が痛むのはきっと、私がすでに彼に恋をしてしまっていたから、だから何だか悔しくて悔しくて、わがままで負けず嫌いな私の本性が出てきた
「わかったわ、景吾 お言葉に甘えて自由に恋愛させていただくわね
安心して?ちゃんと身綺麗なままお嫁にいってあげるから」
「いいぜ、お前がどこのどいつを好きになろうと勝手だ
俺はお前を縛らない、今はまだな」
確固たる自信を滲ませ、景吾は私に向けて笑みを浮かべた
きっと、私も彼もわかっていただと思う
私が貴方以上に誰かを好きになるなんて、困難だということを
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