中学生

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2月13日




さすが私、我ながら完璧ね
目の前にはキレイにラッピングされた箱
味見してみたけど、なかなか美味しかったし
これならあんな途方もない数のチョコレートをもらっている景吾の舌を唸らせることも容易いわね




明日は景吾がレストランを予約してくれているし
私も新しいドレスを準備して最高のバレンタインを迎える用意は完璧




__________




そして迎えた2月14日




トラック数十台にも及ぶチョコレートの数
景吾は2月14日は学校に登校しない
パニックを抑えるための学校側の策なのだ

景吾との交際を公にしている私も、念のためこの日は学校を休むことにしており今日は一日景吾を独占できるのだ




「景吾、ハッピーバレンタイン
大好きよ、これからもずっと貴方の隣にいさせてね」




昨夜準備したチョコレートを景吾に渡す
正直チョコレートを作るなんて初めてだった
また1つ、景吾との初めての思い出が増える




「当たり前だ、これからもずっとお前を手放すつもりはねぇよ
蘭、愛してる チョコレートありがとな」




景吾は私の額に触れるだけのキスを落とした
たったそれだけの子どものような行為にもときめくのは景吾だからだ

景吾は包装を丁寧にとり、チョコレートを1つ取り出し口にした




「どう?」

「…うまい」

「本当に?!」

「あぁ、驚いた
料理なんてしたことないお嬢様だと思っていたが」

「ふふ、見くびらないでよね?
確かに初めて作ったけど、景吾のためのチョコレートくらい完璧に作れるわ」




正直舞い上がりそうだった
景吾が私の作ったものを食べて褒めてくれた
なんて幸せなんだろう




「本当に、最高の女だな蘭は」

「だって、景吾が最高の人なんだもの
そんな貴方に相応しい女性でありたいのよ」




景吾は私を抱き寄せキスをした
今度は唇に、触れるだけの優しいキス




「私にも1つちょうだい?」

「あーん?味見したんじゃねぇのか?」

「したけど、景吾から食べさせてもらいたいのよ
だめかしら?」

「ったく、いつからこんなにわがままが上手くなったんだかな」

「あら、わがまま言うのは昔から得意よ?」

「口の減らないお嬢様だ」




景吾はもう1つ、チョコレートを取り出し
それを口に含むと私に深くキスをした
2つの温度が混ざり合い、口の中でチョコレートが溶ける
チョコレートの甘さと、キスの甘さとが混ざり合い脳まで痺れるような甘さが広がった




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