中学生

□Rose Garden
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人目から逃れるために手っ取り早いのは生徒会室に行くこと、でも今の私にその選択肢はない
テニス部の部室も今は候補から外しておく




こうして考えると私の生活の中心に景吾がいることを改めて思い知らされる、それが今は過敏になっている私の神経を逆なでする




巡り巡ってたどり着いたのは氷帝で1番大好きな場所
薔薇が咲き誇る庭園、薔薇は私と景吾の共通の大好きな花だから景観を美しくするために景吾が氷帝に入学するときに整備したもの




薔薇の壁で作られた道を進んでいくと小さな噴水の横にテーブルとイスがある空間があって、そこがお気に入りのスポット




「…」




もちろんそこには私以外の誰もいない
いつも座っているイスに座り薔薇の香りを肺に送り込む




嫌なことも、幼稚な自分も、言い放ってしまった取り返しのつかない言葉も、全部全部を薔薇の香りと一緒に体の奥にしまい込むように大きく息を吸い込みテーブルの上に突っ伏して溢れる雫を誰にも見られないように隠した




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