Beyond the end of the world
□season1-1
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season1
今日は日差しも強く、いつもより何となく暑く感じる。
けれど、川につけた手はひんやりして気持ちがいい。
普段だったら嫌だけど、今日に限っては洗濯やってて良かった。洗剤なんて手に入らないからただの水洗いなんだけど。
今となっては、スーパーの洗剤コーナーで何種類もある柔軟剤とにらめっこしてたことが懐かしいな。
ざぶざぶと、わざと水が飛び散るように洗濯をしながら、控えめに鼻歌を歌っていると、どこかから車の盗難防止アラームのような音が聞こえてきた。
「何この音……っ!ウォーカーが!」
私は急いで立ち上がり、洗濯物を放り出してみんなのところに向かう。一人でいて襲われるなんてごめんだし、音の発生源を突き止めたかった。
「デール!何か見える?」
「彼らが戻ってきたの?」
私はキャンプカーの上で見張りを担当しているデールに大きな声で叫んだ。同じく、騒ぎを聞きつけてやって来たエイミーが不安そうにたずねる。
デールはすでに音を出すものを双眼鏡で見つけたらしく、目で追っていた。
「こりゃ驚いた」
「何?」
「あれは盗難車だろう」
「乗ってる人は分からないの?」
「さあな」
エイミーと私が交互にデールへ質問をする中、相変わらず大音量でアラームを鳴らしたままの盗難車はキャンプの方に近づいてくる。
アラーム音のせいなのか、不安気な表情を浮かべたキャンプのみんなが入口付近に集まる。
そんな私たちを気にせず車を止めて、中から出てきたのは満面の笑みを浮かべたグレンだった。
デールやシェーンが事の重大さを分かっていないグレンに、アラームを止めろ、だのボンネットを開けろ、だの色々と指示をしてる。
けどきっと、グレンはスポーツカーに乗れた嬉しさで大きな音を出すべきじゃない、ってことを忘れてるんだと思う。
少し前にお互いを知ろうってことで趣味の話をした時に車が好きって聞いた気がするから。
「何やってんだ!ウォーカーを引き寄せちまうだろ!」
シェーンが怒るのも無理はない。
運転でハイになっていたグレンもようやく落ち着いたようで、小さくなって落ち込んでいる。
でも、幸いなことにデールの助け舟によってグレンがこれ以上シェーンに絞られることはなかった。
「悪かったよ……、でも、この車イカしてるだろ?」
ほら、やっぱりグレンはこういうのが好きなんだ。
「ねぇ、アンドレアは?姉さんは無事?」
場が落ち着き始めた時、エイミーがグレンに問いかける。そうだ、グレンだけ帰ってきたなんておかしい。
他のみんなはどうしたんだろうか?
「あぁ、大丈夫だ」
「ならどうして一緒じゃないの?」
「無事だ。みんな戻ってくるよ。……メルル以外は」
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