念ノート 番外編 〜アニメ〜
□性戟の章
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遠月学園。日本でも数少ない有数な料理学校。面積も広くマンモス校、否!一つの学園都市である。そんな学園に一人の男が入門試験を受けにやってきた。明村章。世界でも有名な料理人の一人息子である。章は父親に頼み込みこの学園に入学することにした。両親は知らない。章には特別な体質があったことを。それが有名な料理人へと昇華させたことを。そして、章の野心にも。章は期待と野望を胸に遠月学園へと足を踏み入れる。
性戟の章 一食 入学
遠月学園への入学するには試験がある。それは普通の高校に通うためのテストなどではない。料理学校らしく、料理の味で合格する。
「お題は卵料理。私の舌を唸らせたら合格と致します」
審査員はこの学園の学長の孫娘、薙切えりなとその秘書の新戸緋紗子。えりなは特に有名人で止める人が続出。残ったのは章とソーマと呼ばれる男子。まずはソーマが料理を出して食べさせるが、えりなはソーマを不合格と言い渡します。章はえりながどういう人物か把握した。
(完全に上級貴族のような立ち振舞いか。育ちに影響あるか。典型的だな。だからこそ、屈伏しがいがある)
「アナタは…へえ。あの…なら、期待はできるかしら?」
「もちろんです。まあ今回は軽めのもので。オムライスでも」
章はオムライスを調理していく。そこは普通だがえりなは章の調理センスに目を光らせる。
「へぇ…なかなかやるじゃない。見事ね」
「ありがとうございます。ここに、我が家秘伝の隠し調味料を少々」
章は小瓶に入っている液体をライスに一転回して滴らせる。そしてオムライスを完成させる。
「どうぞ」
「へぇ…調理センスも相まってなかなか美味しそうじゃない。では」
えりなは一口、オムライスを口に含み咀嚼する。えりなの体に電流が走る。
「こ、これは…!?な、なんて美味なの…!?」
えりなは美味しいと認めた。それだけではない。えりなは体の異変に戸惑う。
(な、なに?体が…体が火照ってきて、熱い。体がウズいてきて…!そ、それに…彼を…彼を見てるだけで…体のウズきが…!激しく…!)
「え、えりな様…!?」
「貴女もどうですか?食べないのはよくない」
「え、ええ…!い、いただきます」
「どうしました?」
「な、何でもないわ…!」(だ、だめ…!彼を見てはだめ…!ウズきが…!ウズきが止まらなくなる…!)
えりなは章を見て顔を赤くして体が火照っていく違和感に戸惑いを隠せない。えりなを気にしながらも緋紗子も章のオムライスを食べる。緋紗子もオムライスの絶品に舌を打つが、体の異変に戸惑う。
「それで、どうしますか?自分は不合格ですか?」
「え、えりな様…か、彼は…ん…!ご、合格で…よろしい…ん…では」(熱い…体が熱くウズいてくる…彼を見てると…!頭が真っ白に…!)
「そ、そうね…ご、合格よ…!」(な、何でこんなに…!き、気になる…!気になって仕方ない…!知りたい…!彼の秘密を…!)
「ありがとうございます」
章は合格を言い渡された。章は教室から退室しようとしたが、えりなに引き止められる。
「待ちなさい。少し話があるわ。緋紗子、悪いけど先に帰ってくれない」
「えりな様…!?し、しかし…!」
「いいから」
「は、はい」
緋紗子が退室する。残ったのは章とえりなのみ。
「それで、なんでしょうか?」
「アナタの料理。とても美味しかったわ。何か秘密があるのかしら?例えば、先ほどの秘伝の隠し調味料に」
「さすがですね。これは俺にのみの調味料です。これがより美味しくなるのです」
「その調味料の中身。教えてくれないかしら?」
「知りたいですか?」
「え、ええ…!」(だ、だめよ…!そ、そんなに顔を近付かれしたら…!また動悸が…!体が…!ウズいて…!だめ…!頭が真っ白に…!なって…!)
「いいですよ。秘密を教えてあげます。匂いも味も、お好きに」
章は小瓶の蓋を開けてえりなに渡す。えりなは章が笑みを浮かべてるのに気づかぬまま小瓶に入った調味料の匂いと味を確認する。えりなの体がよりウズき熱くなり章を見るだけで頭が真っ白になり言いなりになりそうになっていた。
「なに、これ…!匂い…スゴい…ずっと、嗅ぎたくなるほど…!味も…もっと、味わいたい…!舐めていたい…!」
「気に入りましたか?」
「気、気に入ったわ…!どうしたらいいの?どうしたら、この調味料を…!」
「薙切えりな、でしたよね?ほしいですか?」
「ほ、ほしいわ…!とても…!ほしい…!」
「…いいですよ。教えてあげますし。ほしければあげますよ」
「ほ、本当?」
「本当です」
「どうしたらいいかしら?」
章は笑みを浮かべながらえりなに近寄り抱きしめれる範囲まで寄ってくる。