念ノート 番外編 〜アニメ〜

□ハイスクールH×S
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朝。日本、駒王町。ごく普通とは言い難い一軒家。少し豪邸的な家。そんな一軒家の寝室。一人の青年が目覚ましで目を覚ます。

「ん?ふわ〜」

「おはようございます。章様」

「おはよう。グレイフィア」

青年の名は明村章。高校二年生である。起こしにきた女性はグレイフィア・ルキフグス。グレイフィアの服装は何故かメイド服。章が産まれてからグレイフィアはずっとメイド服であった。しかも見た目も全然変わっていない。章は気になったが聞く気にはなれなかった。とりあえずグレイフィアはメイドだということだけわかればいいのだから。

「朝食の準備はできています」

「すぐ着替えて降りるよ」

章の何気ない1日。それが今日から変化するなど、この時は知るよしもなかった。










ハイスクールH×S 1π 復活


 






章は制服に着替えて朝食を取り玄関を出る。

「それじゃあ行ってきます」

「いってらっしゃいませ章様」

グレイフィアは丁寧なお辞儀をして迎える。章は学校へと向かう。駒王学園。ここは元々女子校であったが、数年前から共学校へと変わった。この学園に通う男子は基本的に駒王の女子に会うためである。駒王の女子のレベルは高い。しかし章が通う理由は近くだったから。ただそれだけである。授業は百々通りなく進む。昼食時間。章は穴場となっている旧校舎の木々でグレイフィアに作ってもらった弁当を食べる。

「さすがはグレイフィアだな。相変わらず美味しいや。ん?」

「きゃーー!!この覗き魔どもー!!」

「「「逃げろー!!」」」

「…相変わらず覗き見してんのかよ。懲りんな。つかよく退学にしないよな」

章は興味なさげな反応をしてからまた弁当を食べる。そんな時、誰がに見られてる気配を察して旧校舎の窓を見上げる。

「誰かいる?いつもだな。気にしちまうけど…まあいいや。向こうから接近するまでは。それにしてもなんだろうな?」

放課後、章は部活に入っておらず真っ直ぐ帰宅するだけ。そんな時、正門に一人の女子が待っている。女子は違う学校の制服を着ており、章を見て笑顔のまま近寄る。

「あの!明村章君、ですよね!?」

「そうだけど、君は?」

「あ、私は天野夕麻と言います。あの、初めて出会った時から好きでした!付き合ってください!」

まさかの告白であった。周りは驚いてるが、章は別に驚くことではない。章は駒王学園では結構モテる。その人気はNo.2である。

「うんいいよ。本当に好きになるかはデートをしてからね」

「は、はい!」

章と夕麻はデートの約束をして別れる。すぐさま男子達が迫ってくるが章は素早くかわして帰宅する。夕食の時に章はグレイフィアに話す。

「グレイフィア、明後日の休日出掛けるね。女子とデートしてくるから」

「…そうですか。かしこまりました。夕飯はどうしましょうか?」

「夕飯は作っておいて」

「かしこまりました」(章様の体から香る匂いとこびりついた魔力。狙わないわけないわね。時が来た。ということかしら)

グレイフィアが何か考え事をしているが、章が気づくことはなかった。明後日の休日。章は待ち合わせの駅前に五分前に到着する。するとすぐさま夕麻もやって来る。

「ごめんなさい。待たせましたか?」

「いや、俺もすぐに来たところだから」

「そうですか。よかった」

「じゃあ行こうか」

「はい!」

章と夕麻は学生らしいデートを楽しむ。映画館にショッピング、ゲーセンに飲食と満足のいくデートを楽しむ。それも終わりに近づく。夜になり公園でジュースを飲んで別れの挨拶をする。

「楽しかったよ夕麻ちゃん」

「うん!私も楽しかったよ。ねえ章君。私のお願い、聞いてくれるかな?」

「お願い?うんいいよ。叶えられる範囲でね」

「ええ。章君……………死んでくれない?」

夕麻が突然の死の宣告。章は呆然としてしまう。

「…え?ごめん、夕麻ちゃん、なんて?」

「だから、死んでっていってるのよ」

すると夕麻の背中から黒い羽の生えた翼が現れて夕麻を包み込む。夕麻の服装が変わりかなり際どい格好になる。

「な、なんだ!?」

「抵抗したり逃げようとかしないでね。手間だから」

夕麻はそう言うと手から光輝く槍を作り出す。それを章に目掛けて投げつける。

「がはっ!」

「一発で仕留めたわ。まあ所詮はただの人間ね。ああそれと章君。デート、楽しかったわ。じゃあね」

章の心臓に光の槍が突き刺さる。章は倒れる。夕麻は翼をはためかせ飛び去る。

「俺、は…死ぬ、のか…?い、いやだ…!死に、たく、ない…!死ぬのは、いや、だ…!」

章はそのまま目を閉じて死んでしまう。だが、次の瞬間異変が起きる。心臓に刺さってた光の槍が消し飛び章の体が宙に浮く。
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