最強の海軍は最低の男

□閑話一 その頃麦わら海賊団 その一
1ページ/3ページ

バローネがアルビダを捕らえて調教を施していた頃、一つの海賊団が着実に仲間を増やしていっていた。その名は麦わら海賊団。船長がモンキー・D・ルフィ…海軍の英雄ガープの孫である。四皇の一人、赤髪シャンクスに憧れて海賊になった少年。そのバカとも呼べる真っ直ぐさとそのひた向きな巨大な夢に惹かれて仲間が集っていく。今日も新たな仲間とコックのサンジが仲間になった。ゴーイングメリー号で乾杯と歓迎会で大いに盛り上がる一同。

「にっししし!これで五人目だ!そろそろグランドラインに行こうぜ!」

「確かにな。こんな海でもたついてたら、世界一の大剣豪になれやしねえ」

ルフィと剣士ロロノア・ゾロはグランドラインへの逸る気持ちでいっぱいである。特にゾロは重傷にも関わらず世界一の大剣豪であるジュラキエール・ミホークに惨敗してからより強くなろうと貪欲になってきている。

「ちょ、ちょっと待てよお前ら!確かにグランドラインに行くには十分な戦力かもしれないが、どんな海域なのかもわからないし危険すぎるぜ」

「確かにな。どう見ても全員戦闘に特化しすぎだ。俺のようなコックとかがいなすぎる」

対して赤髪シャンクスの幹部ヤソップの息子のウソップとサンジは消極的である。そもそも麦わら海賊団は闘いが得意なのが全てである。ウソップも弱いが戦闘主体である。この海賊団がグランドラインに入れば間違いなく前半で沈むだろう。たった一人の存在を除けば。

「ルフィ。何処かの島で新たな仲間を加えよう」

「ギメシュ!それはいいな!新しい仲間!どんな仲間をするんだ!?音楽家か!?」

「いやいや、航海士だろ!そうだよなギメシュ!?」

「その通りだ。我様(おれさま)の力なら必要はないんだが、我様がそんな雑用をするなど我慢ならん!」

ルフィに意見を申すギメシュという男。逆立った金髪にライダースーツを着こなすイケメン。この男、実は転生者という存在である。前世はデブでブサイクで脂汗をよくかく男である。かなりの変態のオタク男で、女に性的な目でよく見ていた。警察の検問から逃げてる時にトラックに挽かれて死亡した。そして、神様から転生されて特典としてとある作品の人物の容姿と能力を手に入れた。ギメシュはこの世界のストーリーとキャラクターを知っていたので、まずは主人公であるルフィの仲間になる。常に上から目線と物言いだが、ルフィ達仲間は気にしていない。

「んでよギメシュ。どこで航海士を見つけんだよ。そもそもこうも遊覧してるようじゃあどこに向かってんのかわからんぞ」

「ふん、この我様をなんだと思っている!我様はすでに次の島を発見しておるわ!そこで航海士を仲間にすればよいわ!」

「なるほど。ギメシュの持ってる道具か?」

「すげえな。お前の力と道具はよ。何でもアリだな」

「道具と呼ぶな!宝具と呼ぶがよい!無駄口はそこまでよ!さっさと向かうぞ!ルフィ!」

「おう!野郎共!航海士を仲間にしに出航だ!」

(全く…!なぜだ?なぜ赤鼻のところでナミが居なかったんだ?もしや?我様が仲間になってるからか?まあいい。ナミの村に向かえば必ず出会えるであろう。それに…確か、魚人という雑種共を殺せばナミは仲間になり、この我様に惚れるであろう!そして、ナミには姉がいたな。その姉も我様に惚れて我様の女になるな!そして…ぐへっ!ぐへへへへへ!)

ルフィ達は新たな仲間を求めてココナツ村へと海賊船を航行する。ギメシュは内心では邪なことを考えていた。しかし、ルフィ達は知らなかった。今のココナツ村がどうなっているのかと。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ