最強の海軍は最低の男

□第五話 アラバスタ王国奪還!
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アラバスタ王国…グランドライン前半では一番と思われている大国である。砂漠で常に熱砂。しかし、豊かで内乱などとは無縁だと思われていた。しかし、ある禁断兵器を用いたことで内乱が勃発してしまっている。その禁断兵器は兵器と呼べるものではない。ただ、人工的な雨を降らせることである。しかしそれを製作するための材料に問題があり、それが原因で禁断兵器と扱われるようになったのだ。そんな内乱は、ある海賊により収まることとなった。

「それがクロコダイルか」

「ええ。私は、海賊が信用できなかった。それにお父様が罪に問われることも疑問に思ったの」

「なるほど、確かにこれまでの経緯を考えればそうなるな。勘のいい奴なら。王下七武海などのグランドラインに生息する強い海賊どもはただ腕っぷしがあるだけでなく強かで小細工もしてくる。カリファ」

「はい。どうやら製造元はクロコダイル、つまりバロックワークスでした」

「要するに自作自演か。アラバスタ王国のことを随分と調べたようだな」

「くっ…!私達の国を、初めから…!」

クロコダイルの用意周到さにビビは怒りに拳を握りしめている。だが、クロコダイルの用意周到さはこれから失敗する。何故ならここでバローネとビビが出会って、真実を知ってしまったからだ。

「とりあえず当の目的はバロックワークスの壊滅とクロコダイルの捕縛だな。簡単に捕縛はできないだろうがな」

「そ、そんな…」

「あ、ビビ。勘違いしてるだろうから訂正しとくぜ。抵抗してもしなくても簡単に捕縛できるってだけさ。ただ、抵抗するとめんどいだけさ」

「そ、それって…」

「ああ。俺にとって王下七武海なんざ敵じゃない。そもそもグランドライン前半で偉ぶってる程度じゃあ雑魚と同義だ」

「さらに調べたところ、クロコダイルは覇気を使えないようです」

「覇気?」

「は?覇気を使えない?可笑しいだろ?王下七武海だぞ」

「嘗ては使えたようですが、今は使えなくなったようです。ちなみに同じ王下七武海のゲッコー・モリアも使えないようです」

バローネはまさかクロコダイルが覇気を使えないことに驚いた。王下七武海なら覇気を使えて当然のはずだからだ。だからといってもバローネにとってはどうでもよかった。たとえ覇気を使えようと使えまいと、王下七武海程度ではバローネの相手にはならないからだ。ビビは覇気という言葉が気になったが、バローネは話そうとしないので聞かないことにした。

「さて、あと数日もしたらアラバスタ王国に到着するな」

「どうしましょう?」

「問題ない。すぐに見付けてさっさと暴露させて潰す。それだけさ」

「すぐに見付けるって、どうやって?」

「教えてやりたいが、そうしたら企業秘密だからな」

「でしたら、結構です」

「仕方ないさ」

ビビは部屋から出る。残ってるのはバローネとカリファのみである。

「…カリファ」

「はっ、バローネ様の想定通りバロックワークスは戦力を全て戻したようです。正確には一人を除いてです」

「きはは!腐っても王下七武海ってところか。どうやら上手く乗ってくれたか。で、カリファ。その中にいい女がいたか?」

「二人ほど。その内の一人はクロコダイルのパートナーだと」

「なるほどね。よし、クロコダイルのパートナーは俺が相手をしてやる。カリファはもう一人だ。それに、他の奴等もそろそろ闘わせないとな。ナミとノジコには頂戴いい。これまでの成果を見せるにはな」

「畏まりました。皆に伝えておきます」

「あぁ後、アルビダを呼んでこい。今後のことでな」

「またセクハラですね。畏まりました」

「セクハラだけど、それだけじゃねえよ」

カリファはバローネの部屋から出る。バローネは一人、物思いに耽り嗤う。クロコダイルとバロックワークスの破滅を思い描いて。
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