プロジェクトクロスゾーンSP

□第1話 逢魔の影
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物質界 幻想界 魔界 天界 未来世界 そして未知の異世界 幾つもの世界は混ざることなどなかった。繋がることは何度かあったが混ざることなどはなかった。しかし、過去に混ざりかかることはあった。
そして、今回の物語。これまでで最悪のことが起こることとなった。そして、世界は知ることとなる。世界とは無限であり、未知数であると。この広大なクロスオーバーが今、扉を開く。









六本木…そこの噴水の池の近くにて一組の男女が待ち合わせをしていた。

「ねえ小吾郎、ホントにここで待ち合わせをしてるの?もう十分も経ってるわよ」

「落ち着けよお嬢。こっちは速く到着してしまったんだ。待つくらいはしないと」

「そう言ったって。暇なのよ。やっと研修を卒業して新人なのに」

「やれやれ、ちょっとは大人になってるかと思っていたらワガママなのは変わらないか」

「ちょっと小吾郎!それってどういうことってね!」

森羅の諜報班の天斉小吾郎と新人の黄龍寺美依。この二人はかつて結界石事件の時の中心人物達であり家庭教師と生徒である。その事件の後、二人は森羅に入隊したのである。二人はある二人との待ち合わせをしていると、小吾郎が妖気を察したようだ。

「む!お嬢、妖気を感じるぞ」

「え?ど、どこから!?」

「噴水からだ。下がれお嬢!」

小吾郎と美依は噴水から距離を取ると、噴水からカマイタチが複数出現してきた。

「あっ!?カマイタチ!」

「逢魔の…残党なのか?」

「もう!こんなのがまだ出てくるから新宿とかがまだ指定都市されてるのよ!さっさと片付けよう小吾郎!」

「やれやれ、よしなにお嬢」

小吾郎と美依は複数のカマイタチと対峙する。

「沙輪剣!はっ!」

「ドラゴン・ジュエル!パープル・ポッド!」

小吾郎は武器と忍術で、美依も武器でカマイタチをどんどん倒していく。カマイタチは下級妖物なので一分もしないうちに半分以下になる。

「…ぬぅんっ!こんだけしかいないのか。仕方ないか」

そこに赤い馬面の化け物が現れた。その姿に小吾郎と美依は見覚えがあった。

「あああっ!!小吾郎!あの馬顔!」

「ほぅ…懐かしい顔がいるな。確か、忍者と特殊な力の小娘だったな」

「小娘じゃないってね!」

「やれやれ。アンタは確か、先の事件で死んだとばかり思ってたんだけどね」

「逢魔は不滅だ。今までの我らは氷山の一角であった。だが、今回はそうにはいかないぞ」

馬顔の化け物、毒馬頭という鬼。の意味深な言葉に小吾郎は眉を寄せる。そこに龍士と乱鬼がやってきた。

「急いできたらもう戦いが始まっていたか」

「あいつらが、新人と諜報員か。そして、逢魔の馬鬼か」

「む!何奴」

「ねえ小吾郎、あの人達が?」

「どうやらそのようだな。関西支部からの」

「自己紹介は後回しだ。まずはコイツらを」

「ぬぅんっ!」
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