念ノート

□1話目 逆行という誕生
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1986年某月某日、一つの命が産声を上げた。名前は明村章(あきむらしょう)。赤子は両親に可愛がられていた。何処にでもいる只の子供。その変化が訪れたのは三つの歳になった頃、それはたまたまテーブルに置いてあったノートに触って起こったのであった。
突然のフラッシュバック。思い出される自分のこと、まず章が思った感情は戸惑いだった。

(え?え!?どういうことだよ!俺は100歳近くまで生きて余生を終わらしたはず。なんで子供の頃に!?もしかしてこれって逆行ってやつか!?しかしどうして…!?まさか…このノートか?)

章は戸惑いながらもノートを手に持ってページを開く。とあるページにてそこに書かれている字に目を向ける。それは…
『死んでも逆行する』
そう書かれていた。章はもしかしてこのノートに書かれた事が現実に起こったのではと思い始めた。

(ノートの通りになった?なんで?どうして?そういえば…九十九神ってのがあったな。物を大事に扱うと神様が宿りつくって、アレか?いやいやいや!あり得ないだろ!んなこと…でも、もし本当なら俺がこのノートを大事に厚かったから力が宿った?でも、なんでノートごと?あ!もしかしたら)

章はまたノートに捲っていく。そして見つけた。
『逆行したとき、このノートも一緒についていく』
さらに
『このノートを手に取った瞬間、記憶を取り戻す』
と、つまり自分でも思い出せないほどこのノートに色んな事を書いていたということになる。

(もしかしたらこのノートに書いてあることが現実になってるのか?どこまで現実になっているのか調べてみないと!)

章はノートを手に持って一応の自分の部屋を調べる。そこにはノートに書いてある通りのことが、まず漫画、ゲーム、アニメDVD、アダルト系があった。これもノートに
『買い集めた物も逆行する』
と。だが、普通なら怪しい物でしかないが
『これらを誰が見ても気にならない』
と書かれていた。どうやらテレビもそうなっているのでとりあえず遊べるようになったのだと理解した。

(すげぇ…ここまでなんて。でも、まだ調べてないことがたくさんあるし。どれだけのことができるのかもわからない。とにかく、暫くは様子見だな。解決したらその時に決めよう)
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