アーネンエルベin金女主
□さよならアーネンエルベ!
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宴も終わり、別れの時がやってきた。宴ではなくティータイムと言えばいいだろうが。とにかくギルガメッシュは愉悦を見たのでご満悦。もう支払いも済ませてある。
「では、退出するぞ白野。あまり長居など我と貴様がすべきことではない」
「うん。わかった。美味しかったです。それに、楽しかった」
「ああ。嬢ちゃん一人なら大歓迎だが、その金ぴかはごめん被るぜ」
「ハッ!口の減らぬ狗だことだ。まあよい。どうせ今日だけの来店だ。もう二度と会うことなどないであろう」
「そうなんだ。寂しいね」
白野はこの一回限りの出会いだとわかって少し落ち込む。もう二度と会えないのだと思うと寂しくもなる。
「岸波白野。貴女はここにいることだって出来ます。なにももう二度と会えなくなる道を選ばなくても」
「そうよ。あんな金ぴかなんかほっておいて一緒にいましょうよ!」
「ありがとうセイバーに凛。二人とも優しいね。凛はわかってたけど」
「ば、バッカじゃないの!?勘違いしないでよ!」
「ツンデレ乙。でも、私はギルと一緒がいいんだ。決めたから。だから、絶対に曲げない」
「白野先輩…」
白野はセイバーと凛の誘いを断る。その鋼の、鋼鉄の精神にギルガメッシュ以外は飽きれ、ギルガメッシュは嗤う。
「ふははははは!!それでこそ我が雑種よ!そういうことだ!こやつは我が財!手放すなぞありえん!」
「やっぱアンタが英雄王とかおかしいわよ!サブイボができるほどだもん!」
「さあ白野!店から出るぞ!まだ我らは旅の途中。休息も程々にせんとな!」
「うん。じゃあねみんな。楽しかったよ」
白野とギルガメッシュが店から出る。扉が閉まった瞬間、みんなが深い息を吐いた。まるで気疲れしたような身体のダルさを感じた。
「は〜…やっと出てってくれたか。めっちゃ疲れたぜ」
「やっぱりギルガメッシュはお断りですね」
「ただいま帰ったよ」
「ジョージ店長」
店に入ってきたのはこのアーネンエルベの店長、ジョージ店長。サングラスをかけたダンディ。
「おや?これは客からのサービスかね?」
「は?」
店長がギルガメッシュと白野が座ってたテーブルの上に置いてあるものに気がついた。それは黄金のインゴット、売れば数億はくだらない。よくみると置き手紙もある。
「なになに?『此度はよき愉悦を得れた。その例としてそれで色々と注文するがよい。我が許す!』と書いてあるね」
「は?」
「というわけで無礼講だ。このインゴットをくれた客に免じてね。たくさん注文してくれ」
「…あの英雄王とチェンジしてもらえばよかったですね」
「セ、セイバー…」
さすがはギルガメッシュであった。