アーネンエルベin金女主

□もう一人の英雄王
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白野が月の聖杯戦争に参加したサーヴァントの紹介を終わらせて休憩に入る。白野とギルガメッシュはいまだにアーネンエルベから脱しない。もう軽食も済ませたというのに。

「ギル?まだ出ないの?」

「出ん。我にはわかる。まだこれから面白いことが起こるとな」

「まだ何か起こるの?」

「起こる」

「冗談じゃないわよ。まだなにかあるの?いい加減にしてほしいのだけど」

「そうほざくな。お前達にとっては最初はよくないかもしれん。だが、後に愉悦なことが起こるぞ。誰にとってもな」

「?」

ギルガメッシュはまだ何かが起こるとわかっていた。いや、ギルガメッシュの千里眼が見たのだろう。それに凛やセイバーが嫌そうな顔をする。しかし、なぜかそれが愉悦になると言っていた。それはいったい?

「…本当に私たちが知ってる金ぴかじゃないんだね。こっちの方が親しみがあるなぁ」

「それは同意ね。小さなお嬢ちゃん。傲慢で上からの物言いは相変わらずだけど私たちと話せてるわよね」

「ですが油断できません。結局は相手はあの英雄王のギルガメッシュ」

「たわけめ。我がこうしてるのもマスターの、雑種のおかげだというのを忘れるな。本来なら貴様らと話すなどあり得んのだからな」

「やはり貴様は英雄王。シロウ、宝具の使用の許可を」

「ステイだセイバー」

もうギルガメッシュがいる空間に慣れてきてしまったのか、士郎達も多少の警戒した雰囲気が和らぎいつもの雰囲気に変わっていっている。ただやはりまだ別のギルガメッシュの違いには慣れない。

「ふっ…どうやらやってきたぞ」

「え?」

「ふははははは!!遊びにきてやったぞランサー!どうせ暇であろう!一番よいモノを出せ!」

「ゲッ!」

ギルガメッシュがニヤリと笑うと扉が豪快に開いた。入ってきた人物に誰もが苦虫を噛んだような、とても嫌そうな顔になる。そこに現れたのは…

「え?え?ギルガメッシュ?」

「おおセイバー!ここに居ていたとは!我の先に来て待っていたとは我を思ってなのだな!やはりセイバー、我の后となれ!」

「お断りします。さっさと回れ右をしてお帰りください」

「つれないな。いや、これがいわゆるツンデレというやつか。つまり二人っきりであれば本心がさらけ出されるんだな!」

「紛れもなく本心です」

「うわぁ…こんなときに嫌な奴が」

「くっ…逃げるタイミングを失ったか」

「おい帰れ。お前がいるとややこしいんだよ」

「黙れ犬。貴様は外で番犬でもしてろ。雑種どももこの店から出ろ」

「この金ぴかっ…!」

「よせ凛!」

現れたギルガメッシュに誰もが敵意を露にする。あまりにも尊大な態度にあきれ果てるしかない。

「む…」

「くはははは!見たか!白野よ!あの我を!なんとも哀れな姿を!愚かな我よ!足元を救われてやられるという扱いが似合いそうな我よ!」

「ギル…自分だよ?なんでそんなに笑えるの?」

「笑えるさ!アレほどの哀れな姿、笑わずしてどうする!」

「貴様…」

「ようやく気づいたか。全く、慢心も極まるとこうも愚かになるとはな」

ようやくギルガメッシュは気づいた。もう一人自分、ギルガメッシュに。さらにそのマスターの白野にも。










*なおこれからはEXギルガメッシュはギル、SNギルガメッシュは英雄王でお願いします。
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