アーネンエルベin金女主
□見知らぬ者達
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「つまりなんだ?てめえは俺の知ってる英雄王じゃなくてそこの嬢ちゃんと電脳空間なんつう所から来たのだと?んで嬢ちゃんがマスターで俺があの遠坂凛の嬢ちゃんのサーヴァントだと?んだよそれ。羨ましいじゃねえか。そっちの俺…」
席に座って白野が取り合えず説明をした。ギルガメッシュは腕を組んでふんぞり返っている。ランサーはどうにかわかってくれた。しかし、別世界の自身を羨ましがっている。
「さて、わかったのならさっさと品を持ってくるがいい狗」
「てめえは何回狗と言うつもりだこらっ!チッ!まあいい。持ってきてやるよ」
ギルガメッシュがシッシッと手を振らしてランサーを退かせようとする。そんなギルガメッシュにランサーは腹が立ったが、客なので仕方なく退いた。そんなランサーに白野は心の中で謝る。
「時に白野、貴様は何故この真祖を知っていたのだ?我は初耳だぞ」
「あ、そっか。あの時はギルガメッシュがサーヴァントじゃなかったんだった」
「そうだよね〜?私と戦った時は…?あれ?どんなサーヴァントだったっけ?思い出せないや」
ギルガメッシュはなぜアルクェイドと知り合っていたのか気になった。アルクェイドはその時の白野のサーヴァントを思い出そうとするが、頭痛がするのか頭を押さえる。
「ま、いいや〜。私が何故かサーヴァントとして立ちはだかったのよね。バーサーカーで」
「ああ、そうだったね。倒したときは驚いたよ。いきなり理性が戻ったと思ったらムーンセルから脱したんだから」
「ほぉ…さすがは真祖といったところか」
アルクェイドがバーサーカーのクラスで召喚されただけでも面白いのに意識を取り戻してムーンセルから脱した。ギルガメッシュはなぜそんな面白い状況が見れなかったのかと非常に残念がっていた。
「あれ?白野、いつのまにそこの王様をサーヴァントにしたの?私がいなくなってからなにかあったの?」
「あ、そうか。裏側を知らなかったね。どうしようか?ギルガメッシュ」
「許す。どうせ貴様は話す気だろ。好きにせよ」
ギルガメッシュから許可を貰い、白野はムーンセルの裏側のことを説明する。特に、アルクェイドをバーサーカーで召喚したマスターである臥門を。
「……………そっか。あいつ、わかってたんだ」
「うん。神がいないのはわかっていた。だけど神を求めていた。それにどんな事情も間が悪かっただけだと」
「間が悪かったか…なんだか報われないね」
「奴は神にすがろうとしていた。居もしない神に。そもそも神などろくなのがいない。だが、奴は力を持つものを欲していた。救いを求めれる力を持ったものを」
でも、それでも一人のニートと言うか少女を救った。それだけは確か。
「ちょっとだけ見直したかな。ほんのちょっとだけど」
「あはは…」
「ふん」
「それにしても裏側か。初めて知ったなぁ。そんなのがあったなんて」
「そうだね。でも、それがなかったらギルガメッシュとは出会えなかったかな」
アルクェイドはムーンセルの裏側に興味をもった。白野はギルガメッシュとの出会いを思い出していた。ギルガメッシュは傲慢で我が強く、まさに王様そのもの。ひとつ選択を間違えれば首が飛ぶ。おまけにマイルームを独り占めと正直大丈夫かと思ったほどだ。
「我的には貴様はなかなか興味ある雑種であったぞ。何しろヒトではないにも関わらず人間のような抗い。まさに我の求めた愉悦よ」
「ん〜王様ってどうしてこんな感じの人が多いのかな?」
「あはは…」
アルクェイドの物言いに白野苦笑するしかない。ギルガメッシュは白野を見てにやにやしている。
「メニューを持ってきたぞ。一番高い物をな」
「ふん、客の扱いがまるでできていないな狗」
「ちっ!うっせえ!てめえらになら別にいいだろ」
「うん。いいよ。ランサーが店員としてのはなんだか違和感があるから」
「嬢ちゃんも以外とキツい毒を吐くんだな」
ちょうどいいタイミングでランサーが軽食とティーを持ってきた。ギルガメッシュが悪態をつくが、ランサーは我慢する。白野がなかなかの毒を吐くとランサーは少し落ち込んだ。白野の無意識の毒にギルガメッシュはクツクツと笑う。白野は理解してないがとりあえず軽食を頂くことにする。