NARUTO 〜飛翔の穹〜

□八の巻 本選 前編
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試合が開始する。ネジは白眼を発動させて構える。

(まずは、確かめるか)「影分身の術!!」

ナルトは影分身で四人を作る。四人はクナイを持ち構える。

(影分身!?なるほど、チャクラが分身のどれもに全て均等に配分されれば。確かにこの白眼をもってしても本体を看破することはできない)「だが所詮、本体は一つだ」

「まずは、お手並み拝見だってばよ」

「それはこちらのセリフだ」

「「「「行くぜ!」」」」

ナルトは四人一斉にネジに迫る。まず二人がネジにクナイを突きつける。ネジはあしらいながら防ぐ。その隙に左右から攻め立てる。

「フッ!」

「「うおっ!」」

「おい!」

「ああ!」

「「ここだ!!」

「無駄だ!」

ネジは左右からの攻撃を体を捻って避けながら顔に掌底を浴びせる。その隙に一人がネジの背後に回り込み正面の一人がネジを捉えて背後の一人が攻撃をしようとする。しかし白眼は後ろも見えるので足を後ろに蹴り上げてナルトの顎に当てる。正面のナルトを吹き飛ばしてすぐさま背後のも吹き飛ばす。

(…なるほど。背後からの不意討ちは不可能か。でも、対処法は掴んだってばよ)

「この程度だな。所詮は落ちこぼれ。これが現実なのだ」

「現実ね。じゃあ現実ってどんなのか、見せてくれってばよ!多重影分身の術!!!」

ナルトは会場の半分を領土にするほど分身体を作る。

「フン、数頼りでどうにかなるとでも思ってるのか?」

「うっせえ!さらに!」

「…!煙玉!?」

ナルトは大量の煙玉を使ってフィールドを見えなくする。

「いけえ!!」

ナルト達はその隙に一斉に手裏剣やクナイを投げる。しかし白眼には無力。全て見えており全て避けられる。ただ煙の中からナルトの掛け声だけが聞こえてくる。観客の誰もが煙にまみれたフィールドを凝視するなか、一本のクナイが気づかれずに上に飛び屋根に突き刺さる。これに気づいた者は火影を含めてほんのわずか。

(煙に紛れて攻撃するか。なるほど、それなりに頭は使ったようだな。しかし、この白眼の前では無力!全て見えている。そして、本体がどこにいるのかも把握している)

ネジは煙の中、クナイや手裏剣を避けながらナルト達の合間をすり抜けていく。

(本体は比較的安全な場所にいる。つまり…!)

ネジは一番攻撃から離れたナルトに目掛けて柔拳を放つ。ナルトは柔拳が当たり口から血を吐き出す。それと同時に煙が消えていく。

「本体はお前だ」

ナルトがネジの柔拳を食らってるのを見て観客は決まったと思い込む。特に木の葉側の観客は喜んでいる。

「無駄だったな」

「無駄か…そう、かな?」

そう言うとナルトが煙となって消えた。食らったナルトは分身体だったのだ。

「何っ!?まさか!!」(俺の考えの裏を書いて分身の一体にワザと、引かせていただと!!)

「おらあ!!隙あり!!」

ネジの背後から三人のナルトが襲いかかる。ネジは完全に油断する。しかしネジに動揺はない。ナルト達の拳がネジに直撃、したかに思われた。

「!?」

「ハッ!!」

ネジの体からチャクラが放出されて止められてそのままネジは回転する。ナルト達は吹き飛ばされて二人の分身体が消える。

「くっ!今のは…」

「勝ったと、思ったか?」

ネジが行ったのは日向一族に伝わる防御術、その名は回天。この技は日向一族だからこそできる技術。本来、チャクラ穴から放出されるチャクラはコントロールが困難。上忍といえども手や足など体の一部から放出を技に利用する程度。日向一族は柔拳を主としているため極めれば体全体から放出が可能となる。体全体からチャクラを放出して敵の攻撃を受け止めてから自分の体をコマのように円運動していなして弾き返す。これが回天である。しかもネジはこれを独学で学んだのだ。

「なるほどね」

「これで終わりだ。お前は俺の八卦の領域内にいる。柔拳法、八卦六十四掌」

ネジが構えた。

「八卦二掌!!」

「ぐっ!」

「四掌!!八掌!!十六掌!!三十二掌!!」

「がっ!!」

「六十四掌!!!!」

「うぐわっ!」

ネジは64個ある点穴を全て突きながら内臓にダメージを与えた。ナルトはかなりのダメージを負う。ナルトの敗北は確定した。一部を除いて。

「全身64個の点穴を突いた。お前はもう立てもしない。フッ…悔しいか?変えようのない力の前に膝まずき己の無力を知る。努力すれば必ず夢が叶うなんてのはな、ただの幻想だ」

「ぐっ!」

「なに?」

ナルトはゆっくりとだが立ち上がる。

「なぜ?立ち上がれる」

「へっ…言っただろ?てめえのような運命運命言ってる、屁理屈野郎には負けねえってばよ。それとよ、ヒナタを落ちこぼれとか言いやがってよ。ユルサネーってばよ!」
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