NARUTO 〜飛翔の穹〜
□一の巻 集い
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九尾事件から六年ほど時が流れた。木の葉はさらに事件が起こる。うちは一族滅亡。犯人はうちはきっての天才、うちはイタチ。生き残りはその弟であるサスケのみ。そんな木の葉とは対称的に穹の里と名乗る小国は新たな者達が年々増えていき血経限界のみならず、人柱力まで加わることになった。
「ぐっ…!」
「我愛羅、砂の盾は確かに優秀だがそれに頼ってはならない。このようにオートには限界速度と強度がある。強い攻撃、速い動きには対応できていない」
「だが…僕には砂の鎧が…!」
「それは奥の手だ。チャクラの消費が膨大だからだ。砂の盾をマニュアルで操作した方が消費も少ない。まずはお前自身の身体能力を高めること。いいな?」
「わ、わかった」
まずは一尾の人柱力の我愛羅。とあることで心を閉ざしかけて殺戮の兵器になりかけていた。制御を理由に裏で交渉をして穹の里で住まうことになる。しかし穹の里に来てからは自分と変わらない被害者達との明るい交流により徐々に人間らしい感情を持っていく。
「もらったっす!」
「残念」
「げっ…!」
「フウ、突っ込みすぎだ。その羽根を上手に使うんだ。空を翔べるってのはそれだけで驚異なんだから」
「わかったっす穹影様!」
「…こう言ってはなんだが、お前は滝の忍だろ。様付けは」
「里長が言ってたっす。穹の里はこの忍界の希望だと。だから私は里長のために穹影様と呼ぶっす!」
「…まあいい」
そして七尾のフウ。元々天真爛漫で人柱力とは思えない明るさを持っている。滝の忍からは疎まれていたが里長は優しく接しており穹の里へ預けたのも忍界の未来のためである。他にも一族が滅びた者、隠していたがバレて殺されかけた者、里に不満と疑心を持ちクーデターをするが失敗した逃亡者、様々な理由でこの穹の里にやってくる者は多数。
さらに増えていく。穹影が意図せずに勝手に。だが穹の里は全て受け入れる。何でも。
「穹影様。岩影様と雷影様との同盟の準備が整いました」
「すぐに向かう。二人とも、鍛練を忘れずに」
「はいっす!」
「ああ」
穹影は支度をして敵国でもある雲隠れへ。
うちは一族滅亡から二年。穹の里は岩と雲との同盟を組むことができた。磐石となり順調であった。そんな時、新たな住人が増えた。
「皆、木の葉から脱走して保護した子だ。さ、挨拶をしな」
「う、うずまきナルトだってばよ…!よ、よろしくお願いするってばよ…!」
「この子は九尾の人柱力だ。ここまで言えばわかるな?」
「迫害されてた」
「ああ。皆、仲良くな」
うずまきナルトは初めての他里に興味と恐怖の半々で辺りを見渡す。そこに我愛羅とフウが寄ってくる。
「お前も人柱力か。化け物を飼ってる。」
「我愛羅やウチと同い年っすか」
「だ、誰だってば?」
「我愛羅」
「フウっす。ナルトと同じ人柱力っす」
「じんちゅうりき?」
「九尾を飼ってるだろ?僕とフウも化け物を飼ってる」
「ウチは七尾、我愛羅は一尾を飼ってるっす」
「お、お前達も?」
「ああ。他にもいるがな」
「よぉ」
そこに三人の男がやってくる。一人は少年と見間違うような若い男、一人は背中に物を背負った、最後の一人は老人。
「お前が九尾の人柱力か。教えがいがあるな」
「俺はハン。五尾の人柱力だ」
「俺はやぐら。元だが三尾の人柱力だ」
「ワシは老紫。四尾の人柱力だ」
「み、みんな化け物を」
「俺は元だ。本当は尾獣を抜かれたら死ぬんだけどな。穹影に救われてな。それと元水影だったんだぜ」
「水影?」
「火影と同じで霧隠れという里の長さ」
「すっげえ…!そんなに背がちっこいのに!」
「おい!俺をガキ扱いすんな!こう見えても俺は大人だ」
「ええぇぇぇっ!?」
「ったく…!」
「やぐら」
「ん?穹影」
「尾獣のコントロールを頼む。個々の能力なら何とかなるが尾獣のチャクラをコントロールすんのは専門家にやらせるにかぎる」
「わかった。任せておけ」
穹影はナルト達に近よりやぐらに任せるように頼む。穹影はナルト達から離れてナルトをもう一度見る。ナルトの(*^^*)に怯えは無くなり活発な姿を見せる。そんなナルトに安心して里長室へと戻る。