NARUTO短編集
□うずまき夫婦とうちは夫婦のタイムスリップ
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「だああっ!!どういうことだってばよお!!未来の俺ぇ!!」
第七班は大混乱に陥っていたが、ナルトがいち早く気付いて喚く。それはそうであろう。ナルトは春野とだと思っていたからだ。
「どういうことってこういうことだってばよ」
「なんで?なんでぇ!?なぁんでサクラちゃんじゃないってばよ!」
「あ、そっか。この頃の俺ってサクラちゃんだったんだっけ」
「そうだったわよね。アンタは常にサクラちゃんサクラちゃんだったわよね。理由がわかればね。それを知った時の私はちょっとアンタを殴り飛ばしたかったわ」
「う…悪かったってばよ」
「まあ許してあげるわよ」
「サクラさん、ごめんなさい」
「ヒナタが謝ることないわよ」
ナルトが騒いでるのにうずまき夫婦とサクラは普段通りのように話し込んでいる。それが余計に癪に障るのかナルトは益々の騒がしくなる。
「おおいっ!!答えろってばよ!」
「う〜ん…今のお前では全然わかんねえだろうし納得もしないだろ。ま、大人になったらわかるってばよ」
「意味わかんねえってばよ!」
ナルトはまだギャイノギャイノ騒ぐが、うずまきは無視を決め込む。他の者達も同じく無視を決め込む。
「さて、次はお主らじゃ」
「ああ…うちはサスケだ」
「!やっぱりサスケ君なんだ!」(むっちゃくちゃかっこよくなってる!しゃーんなろー!)
「やはり、サスケか」
「サスケ、お主もまた立派になったのぅ。その左腕の損失は?」
「…闇へと落ちそうになった俺を救った友との戦いでの負傷。そして俺自身への戒めだ」
「そうか…」
三代目はそれ以上は聞かなかった。三代目はなんとなく理解した。そして、うちはが友と言った者。第七班とカカシは気になり聞こうとしてるが全てのらりくらりとかわす。
「して、そちらの女性はもしや…」
「はい三代目様。私は旧名は春野サクラ。今はうちはサクラと名乗ってます」
「「「え?」」」
「は?」
「「「「ええええええ!?!?」」」」
「ほぅ…」
(メ、メルヘーンゲ〜ット!!しゃーんなろーっ!!!)
サクラの紹介は先程のヒナタ以上の困惑と混乱を招く。特に春野はまさか初恋が実るとは思ってなかったのか内心はおおはしゃぎでキャパが限界を突破していた。
「おーいサスケぇ!なんで!なぁんでお前がサクラちゃんと!?」
「俺が知るか!おい未来の俺!なんでこんなウザイ奴と…」
「ウザイ…」
「…今のお前ではわからん。だがいずれわかる」
「それを言えと!」
「は〜いそこまでだのサスケ。というか気持ちはわかるけど未来のことを知ろうとしたらダメでしょ」
「くっ…」
サスケはまだ聞き出そうだったが、カカシが制する。その横でナルトとサクラは落ち込む。その光景にうちは夫婦は微笑む。
「4人ともの正体はわかったわい。何故?この時代に、過去にきてしもうたのじゃ?」
「説明するってばよ」
うずまきが七代目火影として代表として説明する。過去にきた理由を。そんなうずまきの姿に第七班はただただ呆然としていた。
「…ということだってばよ」
「ふむ…とどのつまり何故過去に来てしまったのかはよくわかってないのじゃな」
「ああ。どう考えてもこれは時空間忍術の類いだってばよ。でもよ、これほどの術を遣える忍ってほぼいないはずなのに」
「じゃと、いったい誰が…」
「それがわかれば苦労はしねえってばよ。ん?どうしたんだってば?」
「…あんた、ほんとにナルトなの?」
うずまきの大人な姿に春野が代表で本人かと聞く。それに同意するように第七班も頷く。うちは夫婦とヒナタは少し苦笑いをする。
「いや、正真正銘のうずまきナルトだってばよ。未来のが付くけど」
「ウソよ!私が知ってるナルトは馬鹿で間抜けで空気も読めない奴よ!」
「それはないってばよ。つか、結構辛辣だってばよ」
「ひどいってばよサクラちゃ〜ん」
「まあよいわ。とりあえずしばらくはこの地に滞在することになるんじゃな」
「そうなるってばよ」
「なら、お主達の家はどうするんじゃ?」
「「「「あ…」」」」
三代目に言われて二組の夫婦は現状の一番の問題に気付いた。そう、ここは過去。つまり家がない。確かにかつての住まいはあるであろう。しかし、それは今の自分達が住んでいるのだから。改めてどうしようか思案する。
「ふむ…確か、寮にいくつか空き部屋があったの。広い部屋も二つ以上あったはずじゃ。そこで寝泊まりするがよい」
「ほんとか!?助かるってばよ」
「未来からでもお主らはわしら木の葉の子じゃ。なら親として当然じゃ」
「すみません三代目。ご厚意に甘えさせていただきます」
こうして二組の夫婦はしばらく滞在することになった。