★BOOK2
□第2話
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「古代都市 マテール」
今はもう無人化したこの町に亡霊が棲んでいる
調査の発端は、地元の農民が語る奇怪伝説だった
亡霊は、かつてのマテールの住人
町を捨て移住していった仲間達を怨み、その顔は恐ろしく醜やか
孤独を癒すため、町に近づいた子供を引きずり込むと云う…
-ゴオォォォ-
「あの」
本部を出たマオ達は、列車を追って疾走していた
「ちょっと、ひとつわかんない事があるんですけど…」
「それよりも今は汽車だ!!」
「お急ぎください、汽車がまいりました」
『これ逃したら暫く無いから、絶対乗り遅れんなよ!!』
「でええっ!?これに乗るんですか!」
-ばっ-
ノンストップで走る列車に向かって、4人は橋の上から飛び降りる
-ダン-
「飛び乗り乗車…」
「いつもの事でございます」
なんとか無事に列車に飛び移り、屋根から車内へと降りていくと慌てた様子で乗務員が駆けてきた
「困ります、お客様!こちらは上級車両でございまして、一般のお客様は二等車両の方に…てゆうか、そんな所から…」
慌てる乗務員等気にも止めず、探索部隊を筆頭に車内に降りる神田とマオ
それにおずおずと続くアレン
3人が車内に降りたのを確認すると、探索部隊は鋭い声で乗務員に告げた
「黒の教団です。一室用意してください」
「!黒の…!?か、かしこまりました!」
教団の名と神田、マオ両者の団服の胸元に描かれている「ローズクロス」を見ると乗務員は一礼して部屋の支度をする為、その場を離れた
「何です、今の?」
「あなた方の胸にある「ローズクロス」は、ヴァチカンの名においてあらゆる場所の入場が認められているのでございます」
「へぇ」
『それと…こいつにはもう1つ目的があるんだよ』
「もう1つ…ですか…?」
『また追々教えてやるよ。(たぶん、クロスが教えてるとは思うけど…)』
「ところで、私は今回マテールまでお供する探索部隊のトマ。ヨロシクお願いいたします」
探索部隊独特の白装束に、無線機を担ぎ、目から下を包帯で覆うトマは丁寧に挨拶をした