★BOOK2
□第5話
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新たに任務を言い渡されたエクソシストの竜宮マオ
自室に戻って準備に取り掛かろうとした矢先、左腕に印された黒龍の刺青が激しい熱と痛みを発した
『ぁっち…!!』
熱と痛みを発する左腕を抑えて蹲るマオ
数分後、それが収まるとマオの脳内に直接語りかけるように低い声が響いた
【…よぉ、暫くだなぁ。マオ】
『っ…!そりゃ、こっちのセリフだっての。…龍羅』
声の主、龍羅はマオの家系に伝わる寄生型イノセンスで、普段はマオの体内で眠りに着いている為ほとんど出てこない
その為、存在を知る者も限られていた
【俺はずいぶん長い事眠ってたみたいだな。…あれから何年経った?お前が「傷」を受けたあの任務から】
『…もう3年も前の話だ。今は何の異常もない』
【そうか…。これからは、必要ならいつでも俺を解放しろ。神田やラビみたいなガキ共じゃ、宛にならないからな】
それだけ言うと龍羅の声は聞こえなくなった
『…さんきゅ。頼りにしてるよ』
刺青を撫でてそう言うとマオは新しい団服に身を包み、地下水路に向かった
「マオのスカート姿を拝める日が来るなんて思わなかったわ」
地下水路でリナリーと探索部隊と合流し、小船に乗って本部を出た3人は例のごとく電車に飛び乗り、個室を用意して貰うと不意にリナリーが嬉しそうにそう言った
『俺だって、こんな日が来るなんて思ってなかったよ』
「もう、「俺」はダメって言われたでしょ?癖は出やすいんだから、今のうちから慣らしとかなきゃ。もう1回言い直して」
『う…わかったよ。私だってこんな日が来るなんて思ってなかったわ。…これでいい?』
「うん、上出来!」
『…はぁ…(この任務、ストレス溜まるな…)』
嬉々とするリナリーと盛大に溜め息をこぼすマオ
対照的な2人に、今回の任務に同行する探索部隊のノエルが楽しそうに声を掛ける
「リナリーさんとマオさんって本当に仲が良いですね。私、最初にお二人を見た時は本当の姉妹だと思ってましたもん」
「マオは、私が教団に来てから初めて出来た女の子の仲間だったの」