★BOOK2
□第2話
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グゾルは一瞬だけマオ達に顔を見せると、またすぐにフードと被り帽子を深く被って顔を隠した
『あんたが人形?話せるなんて驚きだな』
「そうだ…お前達は、私の心臓を奪いに来たのだろう」
「できれば、今すぐ頂きたい」
「!!」
神田の言葉に顔色を変えたのはグゾルではなくララだった
「デカイ人形のまま運ぶのは手間がかかる」
-バッ-
「!」
「ち、地下の道はグゾルしか知らない!グゾルがいないと迷うだけだよ!!」
今すぐ心臓を取るという神田の言葉に、ララはグゾルを守るように体を張ってマオ達とグゾルの間に立ちはだかった
『…ずっと気になってたけど、あんたは彼の何なんだ?』
「私は…グゾルの…」
マオの言葉に、言葉を詰まらせるララ
そんな彼女に代わり、グゾルが声を張り上げる
「人間に捨てられていた子供…だ!!ゲホ…私が…拾ったから側に…置いでいだ…!!!」
「グ、グゾル…っ」
「ゲホッ、ゲホッ」
「………」
『(…人形が咳き込むか…?…この2人…もしかしたら…)』
咳き込むグゾルの背中を摩るララ
2人を見ながら考え込むマオと神田
そこへ、神田のゴーレムがトマを連れて戻ってきた
「神田殿、竜宮殿」
『「!」』
トマの姿を確認して、再びララとグゾルに向き直る
「悪いが、こちらも引き下がれん。あのアクマに、お前の心臓を奪われるワケにはいかないんだ」
『…今はいいが、最後には必ず心臓を貰う。…巻き込んでしまって、すまない』
「「………」」
マオ達は、ララ達に話をすると、トマを呼んだ
「ティムキャンピーです」
そう言って差し出されたトマの手に乗っていたのは、粉々に砕かれたティムの残骸
しかし、ハクと同じくクロスに作られたティムは自己修復機能を持っており、瞬時に元の形に戻った
『ティム、お前が見たアクマの情報を見せてくれ』
マオがそう言うと、ティムは小さく頷き、球体の体の中心部にある口を開き、アレンと戦っていたレベル2のアクマの姿を写し出した
暫くティムの映像を見ていた2人は……