★BOOK2
□第2話
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最後の力を振り絞り、マオに解除コードを伝えると彼は息絶えた
『…(お疲れさん)』
マオは、彼に小さく一礼すると人形の元へ向かい結界を解除し、中に居た2人と接触すると、そこにレベル1を倒した神田も合流する
「あ、あなた達…」
結界の中に居た2人組は、老人と子供だった
『今は喋ってる暇はない。ここに居るのは危ないから、一緒に来い』
マオが手を差し出すと、子供はまだ警戒しているのか、おずおずと手を差し出した
「男の方は俺が連れていく。お前、その子ども連れてこい」
『解った。…しっかり掴まってろよ?』
そう言ってマオと神田は1人ずつ担ぎ、戦場から距離を取る
その様子を見ていたレベル2は、目を血走らせアレンに向けて殺気を放つ
「とりあえず、お前を殺じてからだ!!」
『(この殺気…あのアクマ、殺人衝動が限界まできてる…!)アレン!!』
レベル2の殺気にマオは小さく舌打ちをしてアレンを振り返る
「放っとけ。感情で動いたあいつが悪い。ひとりで何とかしな」
任務遂行前に邪魔になるなら見殺しにすると断言していた神田は、アレンにそう告げ背を向ける
「いいよ。置いてって。イノセンスがあなた達の元にあるなら安心です。僕は、このアクマを破壊してから行きます」
「…マオ、行くぞ」
その言葉を聞き、神田は一瞬アレンに目をやるとマオに声を掛け、マテールの街を屋根づたいに駆けていった
『…2人を安全な場所に連れていったら戻る。それまで持ち堪えろ。…トマ…遠巻きから、アレンが無茶しない様見張ってくれ』
「はい」
マオはアレンとトマにそう言うと神田の後を追って行った
「…さぁ、僕達も続けましょうか。マオが戻る前に…。彼女の手を煩わせるつもりはありませんから」
マオと神田は、ララという少女とグゾルという老人を抱え、アクマから距離を取る為、マテールの街を駆け抜ける
『「地下通路?」』