★BOOK2
□第2話
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「無駄話してる暇はねぇ。さっさと行くぞ」
トマの自己紹介が終わると、神田の言葉に従いマオ達は用意された部屋に向かい足を進めた
部屋に着くと、トマを部屋の前に残しマオ達はコムイから預かった任務の資料を読み耽る
「で、さっきの質問なんですけど、何でこの奇怪伝説とイノセンスが関係あるんですか?」
アレンの問いに神田はあからさまに面倒くさいと言う顔をし、説明してやれと言わんばかりに横目で隣に座るマオを見る
『(はいはい…)イノセンスってのは、大洪水(ノア)から現代までの間に様々な状態に変化してる場合(ケース)が多いんだ。まぁ、初めは地下海底に沈んでたんだろうけど…その結晶(いし)の不思議な力が導くのか、人間に発見され色んな姿形になって存在している事がある。そして、なぜだかそれは必ず何かしらの奇怪現象を起こす』
「じゃあ、この「マテールの亡霊」もイノセンスが原因かもしれないって事ですか?」
『そう言うこと』
マオがアレンにそこまで説明し、資料に目を移すと神田が資料を捲りながら付け足す
「゛奇怪のある場所にイノセンスがある゛…だから、教団はそういう場所をしらみ潰しに調べて、可能性が高いと判断したら俺達を回すんだ」
そう言うと、2人もマオと同じ様に資料に目を落とす
「(奇怪…そこに在るだけでも影響を及ぼす程のエネルギーがあり、「適合者」が持てば対アクマ武器とも成る…か。不思議な結晶(モノ)だな。イノセンスの存在が奇怪現象を起こしてるんだとしたら…マテールの亡霊って、一体何だ…?)」
試行錯誤しながら資料を読み進める3人の目に、ある事柄が止まった
「!」
「これは…」
『トマ…これ、マジか?』
「はい」
マオが声を掛けると、扉の外で待機しているトマが返事をした
「そうでございます。トマも今回の調査の一員でしたので、この目で見ております。マテールの亡霊の正体は…」
「マテールの亡霊が、ただの人形だなんて…」