★BOOK2
□第5話
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過去のことを思い出したのか、リナリーは目尻に涙を溜めてマオを睨み付ける
『…心配すんなって。もう、あんなヘマしないから』
リ)「バカ…!心配くらい、いくらでもするわよ!…もっと頼ってよ、仲間じゃない!」
『…あぁ、わかってる。ありがとな』
本格的に泣き出しそうなリナリーに、マオは鞄から小さめのタオルを取り出して顔に押し付けると、頭を撫でながら慰めてやる
『ほら、もう泣き止めって。今日は一晩汽車で、朝一には目的地だ。んな泣き腫らした目してたら、アクマどもにナメられるぞ?』
「もう、一言多いのよ…」
ぐすっと鼻を鳴らし、顔押し付けられたタオルで涙を拭うリナリーをマオとノエルは微笑ましく眺め、それからは任務内容の確認としてざっくりとした物ではあったが村の地図を頭に叩き込んで何かあった時のための合図や集合場所を念入りに話し合っていたらいつの間にか車窓の外はとっくに日が沈み、夜が訪れていた
携帯食で軽く食事を済ませ、軽く雑談をした後それぞれが交代で仮眠を取ることにした
リナリーとノエルが眠っている間、資料を読みながら時間を潰していると、 ふと身体の中から語り掛けてくる声がした
【これが今回の仕事か?】
『(なんだ、起きてたのか龍羅?)』
【3年も寝れば充分だ。体が鈍って仕方ない】
『(そりゃ頼もしいね。でも、お前の出番があるような敵が出てくるかな?)】