それはうちにとっては、結構ようある事で。
例えば、いきなりマ○ドのモーニングセットが食べたなって、いつもより1時間も家早う出たり。
急に弾いた事ないギターを弾いてみたくなって、友達に譲ってもらったり。
突然聞きたくなった曲のCD探して、何軒も店回ったり。
突発的になんかをしたくなるんは、結構ようある事やったから。
いつもはあんまりせぇへん部屋の大掃除を急にしたくなったんも。
いや、そら、大掃除をしたってこと自体は珍しかったけど。
突発事項的には、別に特に珍しいと事と、ちゃうかってんけども。
今思ったら。
あれを、世間一般では。
「虫の知らせ」って、言うたんかもしれんなぁ。
「えーっと、うん。いやいやいや、待ち待ち待ち待ち」
うん。えーっと、やな?まず、取り敢えず。
落ち着いて、ゆっくり思い出してみよか?
ぱっと出てくる所から。
記憶の糸を、手繰り手繰りで。
えーっと、まずやな。今日は仕事が休みやって、いつもの友達連中と遊んで。
ほんで、遊んでお茶して買いもんして、いつもの駅で、皆と別れて。
うん、そう。ほんでいつもの道を普通ーに家まで、歩いて帰っとった途中やった筈やねんけど。
うん、そうそう、そうやねん。そうやってん。そうの筈やねん。
それが何でな?
ふと、目ぇ開けたら。
こんな昼尚暗い、鬱蒼とした森の。
池のほとりになんか寝てるんですか、私。
そう、ここは森の中。
昔、学校の遠足で行ったみたいな、人の手の入った様な開けた森じゃなくて。
自然の、在るがままに生き続けて成長してきたような、深く、重く、濃い空気の漂う、森。
ちょっと前に、目ぇ開けて。
まず最初に、視界に入ってきた地面の雑草は、見たこともない種類のもんで。
寝起きのぼやけた頭でも、ごっつー違和感感じて。
転がったまんま半目で。
目の玉だけ動かして周りを見たら、これっぽっちも見覚えのない場所で。
で、慌てて両腕つっぱって、体半身起こしたら。
森。
どこやねん、ここ。
そら、突っ込むやろ、とりあえず。