戦う!セバスチャン
□好き
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一目惚れ、だったんだ。
こんな美しい人間が存在するのだとしばらく見とれてしまったほどに。
「なあハニー?」
厨房でディナーの打ち合わせ中、俺はふとハニーに声を掛ける。
「何だ?」
「ハニーは俺の事好き?嫌い?」
尋ねると盛大に眉をしかめられてしまった。
まあ…当然と言えば当然の反応か。
ハニーは本当に俺の好みストライクな、クールビューティー。
だけど笑ったり怒ったり、一緒に働いて傍で見ているうちにもっともっと好きになった。
ハニーの為なら何でもしたいと思うし、少しは役にたってるんじゃないかな。
その見返りを、求めている訳では決してないけれど。
ハニーは俺の告白をちっとも真面目に取ってくれないし、俺のことをどう思ってくれているのかも全然分からなくて。
だから思わず直接聞いてみようって気になってしまった。
しばらく続く沈黙に俺ははっと我に返る。
「なーんてな、今のはなし。忘れてくれハニー。」
真剣に尋ねるような事じゃないだろう。
それにこんな形で知りたいわけでもないし、ハニーの返事は何となく予想も出来て。