戦う!セバスチャン
□好き
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「その選択肢で言えば好き、だろうな。」
少し考えてから予想通りの言葉が。
…ああ、やっぱりな。
こう見えてハニーは優しいから。
だからこそこんなに好きで苦しくなる。
「はは…でも旦那やB君達も好きって言うんだろ、ハニーは。」
「…デイビッド?」
そう、同じなのだろう。
その他大勢への好意でしかないんだ。
俺へ、愛情としての好きが向けられる事はきっとない。
そんなの分かっていた。
分かっていてもどうしようもなく好きだから。
こんなの自分を追い込むだけだ。
聞かなければ良かったなんて自分勝手にも思う。
「あー…、あ!俺ちょっと買い物してくるな!」いたたまれなくなって、ハニーの呼ぶ声にも答えずに屋敷の外へ飛び出した。
賑やかな広場を歩きながらかつて無いくらいの自己嫌悪に陥っていた。
前まではハニーの想いが例え誰に向かっていようと、俺はハニーを好きでいるし傍にいられるだけでも十分だと思っていたのに。
近くにいるせいで贅沢になってしまったのかもしれない。