戦う!セバスチャン

□valentine's dayその後
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「そうだね。開けても良いかい?」
「ああ!」
という訳でお互いテーブルについて箱を開けるのだが。
俺は、表情が緩んでしまいながらお向かいサンを見やる。
お向かいサンも俺を見てため息を吐いた。

「…同じ物を作ったとはねえ。」
そう、お向かいサンがくれたチョコレートはフォンダンショコラだった。
これは偶然なんかじゃないよな?
前に俺が話していたことを覚えていて、くれたんだって思ってしまっても良いんだろう?

たったそれだけで俺はこんなに幸せを感じてしまったりする。

「やっぱり来年は作らないでおこうかな。」
「俺はすごく嬉しかったぞ?」
だからそんな風に言わないで欲しい。
普段料理をしないお向かいサンが俺の為に、しかもこんなに時間をかけて作ってくれたんだ。
嬉しいに決まってる。
それに絶対。

「うん、すごくうまいしな!」
この人は絶対、完璧なフォンダンショコラを作ってくれると思った。
これだけでほら、俺への気持ちは伝わってくるから。

お向かいサンは呆れたように笑う。
「君がそう言うなら良いけれど。…全くかなわないね。」
「ん?」

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