戦う!セバスチャン
□あなたの気配なら
2ページ/3ページ
ユーゼフ様ほどの人がオレに触れることを夢のよう、なんて言うんだ。
たったそれだけの事に、こんなに嬉しそうに笑ってくれるんだ。
「逃げませんよ、もう。」
真っ直ぐ見つめて言うと一層笑みを深くして、不意に抱きしめられた。
「逃げても追いかけるよ。いつまでも、どこまでも。」
「いいですよ。」
「…本当にもう、離さないからね?」
それでも構わない。
オレはとっくにあなたに捕らえられているんだ。…あなたの本当の気配は穏やかで優しいものだって、気付いてしまったときから。
オレはぎゅっとユーゼフ様の背中に腕を回すのだった。