戦う!セバスチャン

□独占欲
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彼の夢を見ていたせいで、現実との境が一瞬ごっちゃになっていたけど。
…気付いて良かった。
慌てるオレを楽しそうに眺めて、デイビッドさんはマイペースに笑った。

「夜這いに来たんだ。」
「何言ってるんですか…。」
あっさりと言い放つ、この人はきっと本気だ。
だが、だからと言ってそうですかと許せるものでもないわけで。

「B君、俺のこと嫌いなのかー?」
デイビッドさんの下から抜け出そうともがくオレに彼は呟く。
あまり見ない寂しそうな顔。
オレだけが知っている、顔。
…ずるいな、強く言えなくなる。
「それとこれは別問題でしょうっ。」

言いながらも、オレの抵抗は弱くなっていく。
目一杯抵抗したところでデイビッドさんの元を抜け出せはしないと、もう知っているし。
それに。

「別問題でもないぞう?」
…それにいろんな顔を見せてくれる、オレは特別なんだって思えて嬉しくなってしまうから。

「俺はB君に会って触れたくて仕方ないんだからな!」
極上の笑顔。
…ああもう、本当この人は。

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