戦う!セバスチャン

□君へ向かう
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…いつも、こうやって彼のところに顔を出しているのに相変わらず僕はセバスチャンの為に屋敷に来ていると思われている、らしい。

何だか報われないよねえ。
…なんて思ったけれど、顔には出さず会話を続けた。
「だったら君は行かなくて良いのかい。」
「俺は今ちょうど、みんなが休憩に入りそうだからコーヒーを煎れてきたんだ。」

見ると確かに煎れたてらしく湯気のたつコーヒーが彼の手にある。
と、言うかデイビッド君の行動はいつでもマイペースで面白い。
「…何だ?」
笑みが漏れているのを見て彼は首を傾げる。
「何でも。それよりせっかくだしコーヒー貰えるかな。君の煎れたものはおいしいからね。」

これはお世辞でも何でもない、本音。
すると彼はぱっと笑った。
「そう言ってもらえると嬉しいもんだな!」

ああ、そうか。

もしかしたら僕はデイビッド君のこういう所が好きなのかも。
…素直でまっすぐ。
この僕を相手に裏表なく感情を顔に出す。
何だかそれがひどく新鮮で。
向けられる笑みを愛しいと、思ってしまう。
そんなところが可愛いと思えるのかも、しれないね。


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