戦う!セバスチャン
□一万打企画
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「ねえ、もしこのまま明日が来なかったらどうする?」
大晦日。
世界は朝から、来るべき明日に浮かれているように思えた。
僕は休憩室でコーヒーを淹れてくれるB君を見つめて問いかける。
「…は?」
けれど君は、こういうとこクールだよねえ。
年が明けるからめでたいとか考えてもいないように訝しがられた。
ま、大晦日や正月だからって使用人の仕事まで休みになるわけでもないのだからそんなに特別視していないのかな。
そんな事を思って、本人を前にくすくすと笑う。
「ユーゼフ様?」
どうしたんですか、と僕の言葉の真意を計りかねたB君は首を傾げる。
「…だって皆当たり前みたいに新年がやってくると思ってるからさ。」
「今日寝て起きたら勝手に年は明けますよ?」
やっぱりクールな考えにまた笑みが浮かんだ。
「だからね。いっそ年を越す前にこの世界を壊したらどうするのかなあって。」