戦う!セバスチャン

□素直になんて
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素直になるって難しい、と思う。
そりゃあオレだって仕事でミスして上司や同僚に謝ったりするなら素直にもなれるさ。
けれどそれとは全く違うものだから。


「…。」
現在、夜中のデーデマン家を一人で見回り中。
本当は二人一組が原則だが…多分そういう決まりになった元凶であるユーゼフ様がいつの間にか後ろを歩いていたから心配はないだろう(という理由で見回りのはずのAに逃げられた。)
オレだって逃げたい…。
っていうか、夜中に人ん家で何してんだよこの人も。

「B君。」
「…。」
さっきから、何度となく名前を呼ばれる。
けれどオレは返事もせず黙々と屋敷を見回り続けている。
「せっかく二人で歩いているのに、会話もないなんて退屈じゃないかい?」
…そう思うなら早く自分の屋敷に戻って寝て下さいよ。
「おや、つれない子だねえ。君の機嫌が直ったら退散するよ?」

「…何、ナチュラルに人の心読んでるんですか?」
流石に足を止め、振り返る。
そこには待ってました、と言わんばかりの笑顔を浮かべたユーゼフ様。
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