戦う!セバスチャン

□ひと思いに
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あの人は優しくオレを否定していく。




ユーゼフ様が現れる度、逃げなければと体中が警告するのに金縛りにあったように動けなくなる。

「B君。」

そしてユーゼフ様は、一見人の良さそうな笑みを浮かべて近付いてくるんだ。
けど、目の前に来てその表情はまるで獲物をとらえた獣のように楽しそうに変化して。

オレに少しずつ絶望を与えていく。

言動も態度も存在さえも、少しずつ少しずつ否定して。
そんな言葉しか、くれなくて。

オレ心を掻き回して、奪って。


奪って。


自分の存在意義さえ分からなくなっていく。

奪われて、奪われて。

もう、気が狂いそうだ。


一体あと、オレはどの位残っている?
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