戦う!セバスチャン

□欲しいモノは
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欲しいモノは昔から、何でも手に入った。
…それは人の心すら例外でなく。


「B君。」
「ユ、ユーゼフ様っ…こんにちは。」

だからちょっと面白くなかったんだ。
向かいの屋敷に勤めるB君は、僕を見るともれなく怯える。
まあ元は、過去に調子に乗って脅かしてしまったせいなのだけど、それにしたって。

「好きだよ?」
笑顔でそう言ってやれば誰だって、応えてくれたのに。
目の前の彼だけは相変わらず僅かに震えながら。
「そう、ですか…。」
と、いつだって素っ気ない。

面白くない。
…こんな反応をいつまでするのかな。
何だか悔しくなって絶対応えさせてやろうと。
それはもう意地のようなものかもしれない。
だから、毎日足を運んではB君に愛の言葉を紡いだ。

しかしいつまで経っても応えてくれる気配はなくて、ある日たまらず尋ねた。
「君は僕の事、嫌い?」
適度な距離を保ちながら彼は首を傾げる。
「は?いえ、別に嫌いでは…。」
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