戦う!セバスチャン

□valentine's dayその後
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やっぱりバレンタインデーはチョコを贈る日で良いと思うんだ。
そこには確かに込められた気持ちがあるから。


「抵抗がないならこのままキス、しても良いのかな?」
お向かいサンに顎を持ち上げられ、しっかりと視線を合わせていた所。
俺はこんな間近でお向かいサンの綺麗な顔を見られて嬉しいなあ、なんてのんきに思っていたのだが。
当の本人はどこか戸惑った表情で、そう言ってきた。

お向かいサンはすごく、優しいと知っているからこそ俺ものんきにしてられる。
この人は俺が嫌がることはしないって知っているから。
だから今だって敢えて確認をしてくれたり。
「いや、今はだめだ!」
俺がするりと離れると、小さく苦笑が聞こえた。俺は構わずテーブルに置いていた箱を掴み、お向かいサンに差し出す。
「俺からも。バレンタインだからな!」
「ありがとう。」
苦笑いが一変、とても優しい表情になる。

「今日中に渡せて良かった。」
時計がまだ明日を指していなかった事に安堵して俺は呟いた。
くだらない拘りだと言えばそれまでだが、やっぱり当日に渡したかったんだ。
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