戦う!セバスチャン

□飛んでけ
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休憩時間。

オレは厨房に行き、デイビッドさんに淹れてもらったコーヒーを飲みながら、その本人を眺めていた。
デイビッドさんは夕食の仕込みをしているところで、その鮮やかで的確な動きや楽しそうな表情を見て何だか興味を覚えたんだ。

「俺も手伝って、良いですか?」
気付けばそう言っていた。
「手伝ってくれるのか、B君!」

その何気ない一言にとても嬉しそうに笑ってくれるから。
オレまで嬉しくなってしまうんだ。
少しでも、同じものを見たり感じたりしたいな、なんて思うあたりだいぶオレはデイビッドさんを好きなんだと思う。

「…い、たっ。」
…とは言うものの、自分の料理の腕なんて大したことがないわけで。
野菜を切っている最中に盛大に自分の指まで切ってしまった。

やっぱりデイビッドさんみたいに、上手くは出来ないよなあ。
何て思いながら血が流れる指を口に運んだ。
「大丈夫か?」
「あ、はい。すいません何だか邪魔しかしてないみたいで。」
謝るとデイビッドさんは眉をしかめてしまった。
「俺はB君と料理できて嬉しいんだから、謝らなくて良いぞう?」

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