戦う!セバスチャン

□気持ちを込めて
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「ハニー。」
その日厨房ではある攻防が繰り広げられていた。

「何だ、デービッド。」
「…そのお向かいサンみたい言い方、止めてくれないかー?」
デイビッドはたまらず三時のおやつを作っていた手を止めて、隣でデーデマン用のおやつを作っているセバスチャンを見やる。
けれどセバスチャンはこちらを見ることもなく、作業の手を止めずに言った。

「さっきも言ったようにお前が俺の名前をきちんと呼べば、すぐに止めてやるが。」
好きな相手に自分の名前を呼んでほしいというのは当然の欲求だし、権利だろうとセバスチャンは言う。
しかし出会ってからずっと『ハニー』と呼び続けているデイビッドは困ったように笑った。
彼にとっては名前で呼ぶよりも特別な呼び方なのだ。
「ハニー、って呼ぶたびにこんなに気持ちをたくさん込めてるのになあ。」
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