戦う!セバスチャン

□バレンタイン
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■ユゼデビ



「君は今日、誰にそれをあげるんだい?」

2月14日。
厨房でチョコレートを刻む俺を椅子に座って眺めながら、お向かいサンはふと言った。
「俺か?」
お向かいサンにしては珍しい質問だと思いながら、手を止めて考える。
「えーと、ハニーだろ。旦那にー大旦那ーA君B君お嬢ちゃん…。」
「ああもう良いよ。」
指折り数えていたら呆れた様子のお向かいサンに遮られてしまった。
まだまだこの後にも続いたのになあ。

そんな事を考えていたら、じっと顔を見つめられた。
相変わらず呆れたような表情を浮かべたままだったが、僅かにそれ以外の感情が見て取れてにやけてくる。
「デイビー君。本当にそんな大勢に渡す気?」
「ははっ、まさか!」

お向かいサンの表情に俺は破顔した。
俺の本命はお向かいサンだけだから、手作りチョコはお向かいサンにしか渡す気はないんだ、最初から。

「…っ、全く…。僕をからかって楽しいかい?」
「楽しいってより嬉しいぞう?」

だって呆れた表情でごまかしてはいるがお向かいサンのそれはヤキモチ、なんだからな!


END



でもデイビッドは律儀に既製品を皆に配ると思います(何)
というかユゼデビなのかこれは。
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