戦う!セバスチャン

□たとえ夢でも
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こほ、と乾いた咳を吐き出した。
自分的には特に気にするものではなかったのだが休憩室で一緒にお茶を飲んでいたB君が驚いたように僕を見た。
「風邪ですか?」
「いや、そんなんじゃないと思うよ。」
確かに今日は朝から体がだるい気はしたけど。
それだけだから。

珍しく心配そうな表情を浮かべるB君に何だか申し訳なくて、笑顔で答える。
けれど彼は表情を和らげてはくれなくて、それどころかさっきより深刻になってしまっている。
「B君?」
向かいにいたB君がテーブルを回り僕の横へやって来て、ぴたりと額に手を当てた。
冷たくて気持ち良い。
それよりこんな手が冷えてるなんて寒いのかな、などとのんきに考えていたけれど。

「…やっぱりユーゼフ様、すごく熱いですよ。」
「ん?」
「だから熱があるって言ってるんです!」

熱…熱、ねえ。
じゃあB君の手が冷たいんじゃなく、僕の体が熱いのか。
そう自覚した途端体がとても重く感じた。
ああ、ずっと熱なんて出していなかったからこんな感覚忘れていたよ。
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