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□ずるい
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向こうの世界の自分が羨ましい。
こっちとは違って癒しオーラを振りまくデイビッドさんなんだぞ?
近づき放題、抱きつき放題。
「はあ…。」
ため息も出るってものだ。
どうしてオレは。
よりにもよって癒しオーラのユーゼフ様じゃなくて、ろくに近づくことも出来ない…オレを全力で苦しめて楽しんでいるような人が好きなんだろう。

ことん。
休憩室に一人だと思って考えこんでいたところに音がしたから、反射で顔を上げる。
「デイビッド、さん…!」
あれ?
いつもは瘴気を出してるのに今日は出てない。
ていうか、何か困ったような顔してる?
そのまま手元に視線を落とせば、テーブルにはデイビッドさんお手製のプリンがあった。
「まあ食え、B君よ。」
「ええ…と…。」
突然のことに戸惑っているとやっぱりデイビッドさんは困惑の表情のまま笑った。
「B君の元気がないとつまらないからなあ。」
…この人はどうして。
普段は全く容赦がないのに、こういうときだけ。
どうして、こんなときに優しくしてくれるんだ。
じゃあな!と休憩室を出て行くデイビッドさんを見送りながら。
――だから嫌いになれないんじゃないか。
オレはまたため息をつくしかなかった。

END


すみません(笑)
普通のデイビッドが天然で腹黒いなら、あちらの世界のデイビッドは全く逆なのだろうから天然で優しい瞬間があるのではないかと思い書いてみた…わけです、よ。
何だかひどい出来ですが、ちょっとこの特殊?なCPもいいなあと思いました。もう少し闇系なパラレルデビBとか、書けたら楽しいかも。
私は楽しいけど果たして需要があるのか(笑)

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