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□ハニービーン
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デーデマン家で唯一平和な時間。
それは旦那様のおやつの時間だ。
そのときばかりはオレたちもゆっくりとデイビッドさんお手製のおやつを食べて休むことが出来る。
「セバスチャンってデイビッドさんに一番心許してますよね。」
最近誕生した小さな執事を見ながら突然にAが言った。
「ん?そうか?」
その執事に自らの手からおやつのクッキーを食べさせていたデイビッドさんは、笑顔で首を傾げる。
…まあ言われてみればそうなんだよな。
デイビッドさんは気づいてないんだろうけど、オレたちが自分の手からおやつをあげてもセバスチャンは食べないだろうし。
「そうなのかハニー?」
「…いちばんさいしょにすがたをみたからだ。」
…インプリンティング、ってやつか?
どんな動物だよセバスチャン。
「でも、たねのときからかんじてたんだ。おれをいちばんまもり、やさしくせっしていたのがおまえだと。」
「ハニー!」
うわあ、これはデイビッドさんでなくても照れてしまうくらい可愛い。
「嬉しくて今すぐハニーを抱きしめたいから大きくなってくれ!」
デレたデイビッドさんは、周りにオレたちがいるのも気にせずにそう叫んだ。
うんデイビッドさんが直接的なのはよく分かるけど。
「ふざけるな、だれがそんなことするか!」
セバスチャンはぱくりと豆を口にして大きくなる。
けれどその手には鞭。
文字通り、デイビッドさんは愛の鞭をくらってしまったわけだけど。
…大きくなった分、表情がよく分かっちゃうんだよな。
セバスチャンは怒っているんじゃなくて恥ずかしいだけなんだって。
まあ鞭を受けてるデイビッドさんは気づかないんだろうけど。


続いてみる。
…小さいセバスチャンの口調ですが、〜だじょ!とか言ったらちょっと雰囲気合わないかなと思い…普通の口調にしました。
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