story

□デリート
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「仲間なのにひどい話だ。…それより知ってた?イノセンスは破壊できんだよ」


バチッと小さな電流を放ちながらティキはそういった。
自分と切り離された腕でを眺めてい笑っているティキに嫌な予感がしてならない。
ティキは話を進め終わるとアレンの腕に触れ、大きな音を立ててイノセンスの結晶を砂に変えてしまった。

アレンのイノセンスは消え、スーマンのイノセンスは残った。ティキは次にスーマンのイノセンスを狙って来る。


「逃げろティム」


アレンはスーマンのイノセンスを持って逃げろと言う。ティムはそれに抵抗して横に降る。


「お前がいなきゃ、皆が師匠の所に行けないだろ。…玲子さんだって手遅れになる。お願いだ、いってくれ」


アレンがそう言うとティムキャンピーはイノセンスをくわえて空高くに消えていった。賢明な判断だとは思う。けれど一つ間違いがあった。



「玲子はもう手遅れだよ」



治らない傷を背負ったから。

仲間だといっていた奴らから攻撃を、瀕死になるまで与えられて、気を失った。治るものも治らないよ。


「心臓に穴を開けるだけにしろよ、ティーズ」


悶えさせながら死なせるにはそれが一番苦しいから。ティキはアレンの心臓に穴を開けると、胸ポケットから見えていたトランプをバラバラと散らばせた。



そして、赤色に汚れた玲子に近寄り膝を折る。


「…こんなにしやがって…」


横たわる玲子の身体をそっと抱き上げると、さらりと顔を隠していた髪が横に流れた。

こうなる前に何とかしたかった。

けれどもう遅い。


「…痛かったな…」


傷口からはまだ痛々しく滲み出ていた。
コロコロと足元に何かが転がって来て、何かと思い拾い上げてみる。

それは以前ティキが玲子に送った鉱石だった。

しかしその鉱石は以前とは形が異なり、大きさも違っていた。

以前上げたものは掌に納められるくらいの大きさ。だが今玲子が落とし、ティキが見ているものは指でつまむのが調度良い大きさにまで小さくなっていた。

ティキはそれを見て顔を歪めた。



「…こんなに使ったのか」


ごめんな

それだけ呟くとティキは玲子を置いて竹林から姿を消した。







「…玲子?」


空の向こうで、ラビは嫌な予感がしてならなかった。





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あとがき

何ヶ月振りかの更新で申し訳ありません…っ!やっと書けましたー!

今回は何かと痛い表現が多くて書いている自分も辛かったです…。
ラビとのほのぼのが話が進につれこんな感じに。

挿絵を入れたいと思っていたのですが間に合わず…(またか)
時間が出来たら付け足したいと思います。

ありがとうございました!
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