story

□動き出す
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『……アレン!?』

「え…玲子さん?」



アレンは玲子の声が聞こえ、構えていたイノセンスを僅かばかり下げてしまった。


その隙を見逃してくれないのがコムイであって。




「ふにゅら?」

『アレン?』

「しびれるる」


アレンは力無く、ぱたりと倒れてしまった。


『あんのクソメガネー―――!!!!』


そんなアレンをコムイ型ロボットは中に引きずっていく。


されるがままに、アレンは扉に近付く。


「リ、リーパーしゃん…リナリーをちゅれて逃げてくらしゃい…




ぱやく…」




ちーん。



《アレン・ウォーカー収容完了しました》

「アレンンンンー――!!!」




収容されたアレンを玲子は手探りで探した。


全身包帯でぐるぐる巻きにされていたアレンを発見し、玲子は近付いた。


『アレン、アレン!しっかり!』

「…ふあ?……玲子、しゃん…」


未だに呂律が回っていないアレン。


ぐるぐると巻かれた包帯を玲子はクナイで切っていく。


先ほどとは違い、完璧に覚醒した頭で玲子は理解した。



『(コムリンの中かよっ!!)』



記憶が飛び飛びでよく思い出せなかったが、確か自分が寝ている時、コムリンが来た、ような気はした。


しかし、まさかそれが本当にコムリンだとは思いもせず、玲子は再び眠ってしまったのだ。


それが大失敗だった。



『…ふっ、やってくれる』

「玲子さん?」



ズバン!!




不意にコムリンが激しく揺れた。


「わわっ!何…」

『リナリーかな…。あたしも出なきゃ。先に行くね、アレン。
…イノセンス発動』



玲子はイノセンスを発動させ、右手にクナイを同化させた。


そしてその剣でコムリンの背中と思われる所を切り開き中から脱出した。



一方、リナリーはコムリンから繰り出されるレーザーを軽々と避けていた。



「へっへ、ばぁか。イノセンスを発動したリナリーを捕えられもんかよ…

胡蝶のように天空を舞い鋼鉄の破壊力で地に墜ちる

それがリナリーの対アクマ武器ダークブーツだ」



宙を舞っていたリナリーはコムリンを半分に蹴り落とし、破壊していく。




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