story
□動き出す
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ほっと一息入れているときに、一人元気に声を発するのがコムイだった。
「見て見て!ジャーン♪我が科学班の救世主こと『コムリンU』でーす!!」
ゴツイロボットを連れて嬉々と現れたコムイ。
皆少々引き気味でコムイの話しを聞いていた。
だがよく聞いてみればなんて魅力的なロボなのだろう。
ひしっとコムイに抱き着く科学班一同。
この時のコムイの信頼度は最高潮。
そこに白い魔の腕が。
コムリンはコムイのマグカップを持つと、あろうことかコーヒーを飲み始めた。
「………。兄さん…コムリンってコーヒー飲めるの?」
「何言ってるんだいリナリー、コムリンはロボットだよ?コーヒーは…………
飲んだの…ι?」
それからだ。
コムリンが暴走仕出したのは。
「悪いな…こんな理由で」
「(アホくさ……っ!!)」
そんなくだらないことのために今黒の教団は崩壊寸前なんだろうか。
「…っていうか玲子さんは!?」
「あぁ、リナリーと室長が話してたのを聞いてたらしくてな」
動けないことを良いことに、一番最初に収容されてしまった。
「……玲子のイノセンスならコムリンを破壊出来るのに…」
リーバーがぽつりと呟いた。
『―……うっ…』
暗闇。
玲子は暗闇の中、目を覚ました。
頭に浮かぶのは教団、報告、イノセンスの三つだけ。
『…リナリーに、会って……?』
それからの記憶が無い。
「……っ…!!……〜〜!……〜!………っ」
何やら外は騒がしい。
ここは、息苦しい。
音が篭って聞こえる。
何かの小部屋にいるみたいだ。
……外?
…小部屋?
キョロキョロと辺りを見渡すと、急に光が差し込んで来た。
賑やかな声も一緒に。
「ぎゃあああ!何あの入口!?」
《手術♪手術♪とにかく手術♪♪》
何処から出て来たのかコムイ型をしたロボットがいくつかでてきた。
ドリルやチェーンソー、出刃包丁に金鎚、巨大ハサミを構えて。
『(…ちょっと待て?アレ…見た事あるような…ι)』
ぼやける目を擦りもう一度見直した。
こちらにイノセンスを構え攻撃体制をとっているアレンがいた。
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