story

□動き出す
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「リ、リナリー!?どうしたんですか!?」


落ちて来たのはリナリー。


外傷もなく、ただ眠っているだけのように見えるが。


何故こんな所に…?


「も、戻ったかアレン…」


「!リーバーさん!?そのキズ…?何があったんですか!?」



壁にもたれ掛かるように、リーバーはアレンに近寄った。


傷だらけだ。


自分がいない間に一体何が?



「に、…逃げろ。



コムリンが来る…」


「は?」


リーバーの汗は冷や汗と変わり、アレンを避難させようとする。


だが訳の分からないアレンは"はてな"を頭に浮かべるだけ。



ただ、遠方から徐々に盛大な破壊音が近付いて来るのは分かる。


その音はこちらに段々近付いている。



ドカンッ!!!


壁をぶち破って現れたのは物凄くゴツイロボット。


頭部(?)にはベレー帽を乗せていた。


リーバーはうんざりと「来たぁ」と見ていた。



「え゙ぇえ゙!?な、何アレ?何アレ!?」



訳の分からないロボットに攻撃を仕掛けられ、襲われている。


この現状は何なんだろう。


《発…見!リナリー・リー、アレン・ウォーカー、エクソシスト二名発見》


標的を確認したような感じのロボット。


嫌な予感がしてならないアレン。

「逃げろアレン!こいつはエクソシストを狙ってる!!玲子もあいつに食われた!!」

「ええ!!?何ですって!?」

《手術ダー―!!》

「うわわわっ追ってくる!追ってくる!!」


反射的にアレンはそのコムリンというロボからの攻撃を躱し逃げる。


逃げれば追うまでと言わんばかりにコムリンはアレン達を追い掛ける。


「リーバーさん!ワケが分かりません!玲子さんが食われたってどういう…!?」

「ウム、あれはだな!コムイ室長が造った万能ロボ「コムリン」つって…

見ての通り暴走してる!」

「何で!?」





あれはほんの30分前。


給料にならない残業をしていた時の事。


「終わらねぇ…このまま一生終わらねェんじゃねェかな…」


終わらない残業を憎く思いながら、弱音を吐いていた。


「コーヒー飲む人ー?」


お盆に沢山のマグカップを乗せ、リナリーは科学班に差し入れを入れてくれた。


このコーヒーが今の科学班にとって唯一の救い。




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