story

□肩を並べて
4ページ/9ページ




「私は室長助手のリナリー。室長の所まで案内するわね」


「よろしく」



アレンとリナリーは室長の所へと向かう。


助手としてリナリーはアレンと一緒にコムイの所まで行き、アレンはそのリナリーに着いていく。


そんな二人に背を向けスタスタとその場から立ち去ろうと離れていく神田。


一人で離れていく神田に気付いたアレンは呼び止めるのだった。



「あ、カンダ」



しかしアレンの呼び掛けに無言で返し、さらにすごい形相で睨んでやった神田。


やはり尻込みするのはアレン。



「……って名前でしたよね…ι?よろしく」



あんなひどい目に合っているというのに、律儀に手を差し出し神田に握手を求めるアレン。


玲子はその場面を見て苦笑いしか出てこなかった。



神田はアレンの手を取ろうとしない。




「呪われてる奴と握手なんかするかよ」



バッサリと言い切った神田はまた背を向け振り返る事すらせずに、その場を立ち去ってしまった。



リナリーはすかさず神田のフォローに入るが、アレンは"差別…"と負のオーラを漂わせていた。


玲子はただこの空気に対して苦笑いをすることしか出来なかった。










「そういえば玲子お帰りなさい」


『え?あ、うん。リナリー具合はどう?平気?』


「大丈夫よ。玲子がいるもの」


『そっか。良かった』


リナリーは笑顔で答えてくれた。


何ともないリナリーを見て玲子はほっと息をつき、そして微笑を浮かべる。


『ただいま、リナリー』


リナリーは玲子の微笑みて、思わず赤面してしまった。



久々に見た玲子の微笑みは曇りが無くて、とても綺麗。


漸く私に光をくれた。


温かい微笑みに鼓動も速くなる。

つい、見惚れてしまう。


貴女は私の太陽ね。


明るく明るく日を射して、私に力を与えてくれる。


植物が光を欲するように、私も貴方を欲するわ。


私の大好きなその笑顔。


いつまでも向けていてほしい。






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ