story

□現れる姿
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ここにきてやっと玲子の団服をまじまじと見ることが出来た。



『まぁ、デザインは前とほとんど変わっていないけどね』



たいして変わっていない団服の裾を掴んでひらひらさせる玲子。


確かに余り変わってはいないが、強いて言うなら以前よりスリットが深くなっているような気がする。



「………」



玲子は、セクシー路線ではない。


かといって可愛い路線とも少し違う。


どちらかというと玲子は清楚な感じなのだ。


その清楚感が可愛く見せつつ、大人っぽくも見せる。


そんな玲子に、大胆にも深く入ったスリットが清楚に見せつつセクシーにも見せる。


チラつく右足。


下には勿論履いているのだろうけど、青春真っ只中のラビにとっては興奮材料というものだった。







「(……いいっ…!!!)」












グッジョブ!!と玲子に見えないように親指を突き立てるラビ。


鼻血がぼたぼたと垂れている。


後ろでは玲子が首を傾げている。


とにかく鼻血を拭き、自分の中での葛藤に耐えつつ、ラビは玲子に向き直った。



「…な、なかなか…良いんじゃねぇ?」


『(ラビ、顔変だ…)そう?ありがとう』



玲子は嬉しそうに笑顔をラビに向ける。


玲子を見て、とうとうラビは失神寸前までに至った。


「(玲子…、可愛い過ぎ……)」


『ラビ、ふらついてるけど大丈夫?』


「…だっ、大丈夫大丈夫…」



ヘロヘロになりながらラビは玲子との会話を続けた。



「ところで玲子は戻らなくて良いんか?」


『そりゃー戻るよ。…何も出来なかったし、とんぼ返りだ…』


「はは、ご苦労さん。俺はこの後も任務さ」


『ずるい!…で、誰と?』


玲子は任務に参加できず帰らなくてはならないというのに、これから新しい任務に行くというラビを恨めしげに見上げる。


「(可愛…っ)ダ、ダグと…」


『ダグと?二人だけで?』


「んにゃ、俺とじじぃとダグさ。パリに行くんだ」



玲子はふーん、と相槌を打つだけで、パリという単語に対しては反応が薄かった。




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